trendseye

ギルティ消費

ダイエットや健康を意識する日々の中で、「たまには我慢しないで思い切り好きなものを味わいたい」と思ったことはないだろうか?糖質オフ、脂質カット、カロリー計算などが日常になる一方で、そんな衝動に駆られる「ギルティ消費」が今、広がっている。
例えば、ファミリーマートの「お値段そのままなぜか45%増量作戦」がその代表だ。2026年3月24日から45%増量で発売した8商品の3日間の売上が、増量前と比較して平均786%と大きく伸びたそうだ。中でも人気の「ラーメン荘 歴史を刻め監修 豚ラーメン」は2286% と大ヒット。手に取った瞬間に感じるずっしり感は通常の800gオーバー、カロリーも1,505kcalとまさに45%増量の威力だ。
「令和6年版 厚生労働白書」によると、日常的にストレスを感じている日本人の割合は2021年時点でおよそ53%だったものが、2023年には80%超えと急増している。現代社会では息苦しさを抱える人が増え、加えてダイエットや健康を意識しすぎることが心の健康への悪影響となっている。
「理想の自己像」を追求することは時として強烈なストレスをもたらし、反動で衝動的に「ギルティ消費」を生んでいる。濃厚な料理が無性に食べたくなり、“背徳感を楽しみたい”とか、“今日は特別に自分へのご褒美を“など、ストレスフルな日常から心のバランスを取り戻す行動が多くの人々に支持されているのだ。
飲料業界では健康志向の強い「低糖質系」と、あえて濃厚な味わいを追求する「ギルティ系」の二極化が顕著だ。サントリーが約14年ぶりに立ち上げた新ブランド「NOPE」は、フルーツやスパイス99種以上のフレーバーをブレンドし、一般的な炭酸飲料よりも高い糖度を実現。“やみつき”になるほど濃厚な甘さと刺激はその名もズバリ「ギルティ炭酸」、若年層では“欲望解放型”商品として認知されているそうだ。富士経済のデータによると「ギルティ消費」関連の市場規模は2019年の3.4兆円から24年は4.1兆円に拡大。同期間に健康食品市場も2.4兆円から2.8兆円に拡大している。マーケットは「心のご褒美」と「体のケア」をバランスよく取り入れている?ことがわかる。
健康管理がストレスに繋がるという例は少なくなく、健康管理そのものが害にもなり得る。逆に「ギルティ消費」によるいわゆる「不健康」が結果「健康」を支えている場合もある。
米国政治の世界では、オバマ大統領による理論的で自制の効いたエリート政策が、トランプ大統領の「ギルティ消費」的“MAGA”を産み出したともいえよう。

| 26.04.24

RECENT ENTRYS

CATEGORY

  • BOOM
  • FOOD&RESTAURANT
  • LIVING&INTERIOR
  • SCIENCE&TECH
  • TRAVEL
  • TREND SPACE

ARCHIVES


1990年9月~2006年7月までの
TRENDS EYEの閲覧をご希望の方は
こちらへお問い合わせください。
ART BOX CORP.