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聖徳太子

「聖徳太子」は日本最初の女性天皇推古天皇の皇太子であった「厩戸皇子(574-622)」(豊聡耳皇子ともいう)の諡(おくりな)だとされている。令和3年(2021)は太子の1400遠忌にあたり、法隆寺での盛大な法要に加え、それを記念した奈良国立博物館での「聖徳太子と法隆寺」展(4月27日から6月20日)がコロナ禍にも拘らず人気を博している。
聖徳太子は574年、用明天皇(不明-587)と穴穂部間人皇女の間に斑鳩で生まれている。両親が共に欽明天皇(509?-571)の子であるため、異母兄妹間の子となる。また推古天皇(554-628)も欽明天皇の子であり太子にとっては母方父方両方の叔母となる。更に推古天皇の母は、摂政として権勢を誇った蘇我馬子の姉の蘇我堅塩媛である。権力に繋がるその濃過ぎる血縁関係に守られ、太子は仏教の日本への浸透を図って律令国家の基礎を作っていく。
一方太子の長子である山背大兄王も異母妹の舂米女王と結婚、現代から見ると驚きの近親婚だが当時の天皇家とその周辺にとっては必然の選択だったのだろう。血筋以外は信じることができない激しい権力抗争の様相が垣間見られる。
太子は数々の仏教の経典を解説した法華義疏などを著し、冠位十二階や憲法十七条などの制度を整えることで後世に続く日本国の文化的基盤を築いた。607年には法隆寺を創建、622年2月22日に没する。その後大化改新(645)を経て日本国が成立していく。
太子が創建したと言われる法隆寺は、梅原猛が「隠された十字架-法隆寺論-」で提起したように多くの謎を秘めている。中門の真中の柱、金堂の三尊、塔の実際の高さと「資材帳」に書かれた高さとのくい違い、奇怪な顔の久世観音と、その異常なまでの秘密隠蔽への意思など尋常ではない。
1400遠忌にあたり奈良国立博物館がこれら「聖徳太子と法隆寺の謎」に迫るかと期待したが、その期待は裏切られた。従来の太子信仰を解説する保守的なものにとどまっている。
100年前の1300遠忌では、寺を維持するのに苦労していた法隆寺の再興にあの渋沢栄一が尽力している。「遠忌」を国を挙げての法要とし、聖徳太子は信仰の対象から「歴史上の偉大な指導者」としての側面が強まった。今回の1400遠忌の記念展覧会の解釈も、渋沢栄一が示した太子像からの逸脱はない。太子の肖像は過去発行された日本銀行券で最も多く使われ、国民の間には「聖徳太子はお札」というイメージが浸透している。
2024年には一万円札の図柄が渋沢栄一になることが既に決まっている。「日本資本主義の父」を「日出処の天子」に重ね合わせているようだ。
今更「神(紙)頼み」でいいのだろうか。

| 21.06.18 | Permalink

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