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AKB学校

8月27日にAKB48劇場で行われた「AKB48劇場 前田敦子卒業公演」、この前田敦子卒業を経てAKB48グループは「第2章」の幕を開けたようだ。
前日の東京ドーム公演最終日には、 AKB48劇場支配人の戸賀崎氏が人材育成のための「学校化計画」があることを明かした。今後、メンバーに問題が起きた時の罰則などを定める「校則」や、ファン数の変化を明示する「成績表」、家族に理解を求める「保護者会」などを検討しているのだという。 AKB48のビジネスモデルは、アイドルを育成して移籍するという、かつて宝塚歌劇やジャニーズが先鞭を付けた日本的システムで、必ずしも独創的とは言えない。美空ひばりや山口百恵のような個人のカリスマ性に頼るのではなく、多様な選択肢を用意して、そこからファンたちが自分好みの子を見いだし、あたかもその子を自分が育てているかのような「育成幻想」を醸成していくというやり方だ。
プロデューサーの秋元康氏が1980年代半ばに同様に展開した「おニャン子クラブ」は、テレビというマスメディアに依拠していたために早くピークを迎え、わずか2年あまりで解散を余儀なくされた。これを踏まえ、氏はAKB48をもっと長期的に持続するシステムとして構築すべく模索しているようだ。専用劇場を設置して公演を行う方法で、移り気なテレビ視聴者ではなくコアなファンに特化するやり方は、宝塚歌劇団とシステムが酷似しているが、宝塚よりファンとの距離を近くするという大衆演劇「梅沢武生劇団」的な現代風アレンジが、現代における成功の理由なのかもしれない。
次に目指すは、現在の選抜メンバーたちが卒業した後も次々と優秀な生徒(スター)を輩出するAKBの「名門校」化?宝塚歌劇団の「朗らかに、清く、正しく、美しく」の教えに倣い、礼儀作法やマナーに厳しく、公私すべてにおいて本科生が予科生を指導しその面倒をみるシステムなのか?
しかし、若者を扇動する天才でもある秋元康氏が現代の小林一三になる為に、領土問題をはじめとする国際問題も学校の教科?に入れてみてはどうだろうか?

| 12.08.31

Showrooming(ショールーミング)

スマートフォンのアプリ「ショッピッ!」は、店頭で商品を検討した上で、商品のバーコードを読み取ると、40以上の通販サイトとの価格比較ができ、より価格の安いサイトで購入することができるというもの。リアル店舗がネット通販のショールームになって、店舗では買わずに通販サイトで購入する消費者の行動を、米国では「Showrooming(ショールーミング)」と呼んでいる。
10兆円を超える市場に育ったネット通販業界において、バイイングパワーをつけた有力サイトは、大手の小売・サービス業が無視できない価格競争力を発揮し始め、ネット価格が実店舗の価格設定を左右し始めている。かつてネットでの安さと言えば、「型落ち品」や「訳あり品」が理由だったが、今や低価格が、家電の新製品や有力メーカーの日用品、食品にまで広がっている。ネット(直接)通販最大手「アマゾンジャパン」では、コストのかからない無店舗運営に加え、ITを活用した商品管理術で低価格を実現、推定年間売上が5000億円規模にまでなったことで、バイイングパワーも更に向上し、食品や日用品などはメーカー希望小売価格より3~5割引きも普通になってきた。また、ネット通販の中で特に急成長しているのが「ネットスーパー」だ。矢野経済研究所「食品宅配市場に関する調査結果2011」によれば、2006年度には売上高93億円だったネットスーパー宅配分野が、2011年度には719億円(予測値)、2015年度には1000億円に達すると予測されるという。中でも、大手スーパーの中で最も積極的に取り組んでいる「イトーヨーカドー」が続々実施店舗を拡大中で、12年度に145店舗まで増やす計画だ。取り扱い商品数が約3万点と多く、食材は近くのスーパーで買うものと決め込んでいた消費者も、ネットでの商品価格の比較が容易になったことで、低価格で買える店を選別するようになってきたのだ。
実際、「はじめはリアル店舗で買い物をするつもりでいたが、ショールーミングによって、ネットで買い物することにした」という消費行動の変化は、買い物に対する意識を変え、さらにスマートフォンの普及もそれに拍車をかけて、買い物は劇的に変わっていくだろう。

| 12.08.24

サイボーグ009

10月にアニメーション映画『009 RE:CYBORG』が公開される。石ノ森章太郎原作の傑作SF漫画『サイボーグ009』を、攻殻機動隊シリーズの神山健治監督が映画化したアニメーション。ストーリーは、2013年、ロンドンやベルリンなどで超高層ビルを狙った同時多発テロが発生し、その行方を世界中の人々が固唾(かたず)をのんで見守る中、何の犯行声明も明らかにされない状態が続き次第に誰もがパニックに陥っていく。やがて、これまでも見事にベトナム戦争や東西冷戦などを解決してきたサイボーグ戦士9人が集結・再起するというもの。
かつて石ノ森章太郎は、『週刊少年キング』(少年画報社)で『サイボーグ009』を1964年から連載スタートし、その後も、複数の出版社、複数の雑誌で長・中・短編の作品を発表し続けてきた。しかし、完結編にあたる作品の発表前に死去してしまったため、作者自身による漫画作品は未完に終わっていた。これを“完結”させるため、今年、劇作家・演出家の小野寺丈氏が中心になって、コミカライズ版『サイボーグ009 完結編 conclusion GOD'S WAR』をWebコミック配信、角川庫から全3巻で発売される予定だ。『サイボーグ009』で戦争や科学、地球環境、さらには神の領域にまでペンを走らせた石ノ森章太郎は、完結編構想メモに「2012年に人類は滅亡する。2012年に人類は覚醒する。」と遺している。2012年は彼にとって意味深い年であり、秋の映画公開に向けて、ますます注目されている。
それにしても、似たようなテーマを扱った公開中の映画『アベンジャーズ』は、どうしてあんなに単純なのか?人気シリーズ「アイアンマン」や「キャプテン・アメリカ」「マイティ・ソー」「ハルク」から各ヒーローが、人類史上最大の敵の襲来に備えた「アベンジャーズ」として召集されるというアクション映画で、全世界で累計興収14.6億ドルという驚異的数字を達成し、今年のハリウッド映画を代表する1本とまで言われている。『アベンジャーズ』の上から目線で挑発的な宣伝キャッチコピー、「日本よ、これが映画だ」に、twitterでは不快感をあらわにするつぶやきが集まった。
1960年代日本の高度成長期の科学技術に対する夢は、多くのアニメを生んだ。これら日本のアニメは、今のハリウッド映画にとって宝の山なのだろう。折しも、『サイボーグ009』のハリウッド実写化企画が動き出していることが明らかになった。『アベンジャーズ』のように、単なるアメリカ的ヒーロー映画にされてしまわないことを祈りたい。

| 12.08.17

成熟都市

オリンピック開催中のロンドン。開幕式でのロンドンオリンピック組織委員会セバスチャン・コー会長のスピーチは、
「賑わう商業地としての歴史、人々が集う場所としての歴史、決して立ち止まらない都市としての歴史、こうした歴史が今日のための準備をしてくれました。」と、成熟した都市ならではの内容だった。ロンドンは、都市圏人口が800万人~1,370万人といわれる、ヨーロッパ最大級の都市だ。パリより、市場ボリューム、GDPが高いとされて、クレジットカードのマスターカードの試算は、今年ロンドンへの海外からの観光客数は1,690万人と、パリの1,600万人を抜いて1位、観光客の消費額は211億ドルと、ニューヨークの194億ドルを抜いて1位になると見ているが・・・?
当初ロンドン市内のホテルは、期間中の宿泊料金を通常よりも3~4倍、高いところでは10倍も高く設定した為、予約数が例年同時期を下回り、あわてて値下げ、それでも空室は埋まらなかったという。またオリンピックの観戦チケットが完売にも関わらず空席が目立つなど、オリンピック組織とスポンサーとの癒着による利権構造が浮き彫りにされてしまった。さらに、同時期にロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作疑惑問題が取り沙汰され、ここでも欲にとらわれた人達への捜査や調査が進められている。
そんなロンドンで昨年1月、オリンピックを前に、超豪華なサービスアパートメント「ワン・ハイド・パーク」が誕生し話題を集めた。「世界で最も高級とされる住所に至高の居住空間をつくる」というコンセプトのもと、使用する建材やインテリアなど、贅の限りを尽くして建設され、最高成約価格は1億4千万ポンド(約184億円、推定1,800平米超、平米1,000万円)と、正に世界最高峰のサービスアパートメントだ。だが、このマンションの購入者にイギリス人はほとんどいない。かつてイギリス植民地だった国を含む、20カ国以上の他国籍のスーパーリッチが購入しているのだそうだ。成約価格は不動産価値というより、旧宗主国へのリベンジの思いを叶える値と言えるのかもしれない。
欧州債務危機、景気のどん底の中でオリンピックに期待をしても、ロンドンはもはや世界をリードする先進都市としての役割を終えた感が強い。2020年オリンピック開催に向けて立候補する東京だが、日本人が今ひとつ招致に夢を抱けないのは、その経済効果よりも、裏目に出る弊害を敏感に感じてのことだ。東京は別にロンドンに倣って自らの価値を下げる事はないだろう。東京はすでに成熟化した中産階級の為の都市としては、世界最高の価値を持っている事を知るべきだ!

| 12.08.10

Google Glass

6月にカリフォルニア州サンフランシスコのモスコーニセンターで開催された「Google I/O 2012」の基調講演で、「Google Glass」が開発者向けに予約開始されると発表された。価格は1,500ドルで来年初めに出荷予定だとか・・・遂に『ドラゴンボール』の「スカウター」が現実になるのか?と注目を集めている。「Google Glass」は、透過型ディスプレイのレンズ、マイク、カメラで構成されており、音声と画像の入力で操作できるデバイス。音声の命令でメールやチャットを開始したり、音楽を再生したり、Google Mapsを表示させて目的地までの道順を確認したり、写真を撮影してメールで送信するといった操作ができるというものだ。
『ドラゴンボール』に登場する「スカウター」は、通信機能と生命体探索機能を兼ね備えた装置で、片耳に取り付け、モノクル(片眼鏡)のような半透明の小型スクリーンに、生命体の戦闘能力を数値化した情報や、その対象への方角や距離が表示される。「Google Glass」も「スカウター」のように内蔵のカメラで位置や建物、近くに居合わせた友人情報などを即座に表示することができるようになるそうだ。非現実世界を描いた映画や漫画に登場した、AR(拡張現実)機器が現実のものになるというわけだ。
アップルもまた「iGlass」として、「Google Glass」にせまる、iPadをそのままメガネにしたようなものを開発中。「Google Glass」と大きく違うところは、「iGlass」は前面ではなくサイドにプロジェクターを配置し、2つのディスプレイがあるというところ。ディスプレイを2つ使用することで、メガネの映像酔いを防ぎ、より引き込まれるようなユーザー体験が得られるのだそうだ。
「Google Glass」も「iGlass」も、今までにない全く新たなガジェットとして、世界マーケットを開拓していきそうだ。世界を変えていく新商品のアイデアを、日本のアニメーションが提供するという事はすばらしい事だ。しかし、アイデアで先行しながら商品化で負けていていいのだろうか?アップルとサムソンがスマートフォンの特許で激しい訴訟合戦をしているが、サムスンに「SONYがヒントをくれた」と言われても手も足も出ない?SONYはもう死んだのか?

| 12.08.03

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