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PPAP

今や彼を見ない日は無いと言っても過言ではないほど、日本に留まらず世界的大ブームとなっている千葉県出身のシンガーソングライター・ピコ太郎。
彼の動画「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」が9月30日~10月6日1週間で何と1億3400万回再生され、YouTubeの「ミュージック全世界トップ100」ランキングでついに1位を獲得、その後3週連続して1位をキープしている。下に続くのは日本でも有名な世界の大スターばかりである。そんなラインアップの中、2位の再生数に倍ほどの差をつけ堂々1位となっているから驚きだ。一体何がきっかけでこんな事になったのか…??
よく言われているのが、ジャスティン・ビーバーが9月27日にTwitterでピコ太郎の動画をお気に入りに登録、瞬く間に世界のフォロワー約8800万人が目にすることになり、海外のニュース番組やイギリスBBCテレビでも取り上げられるようになった、というものだ。しかし、世界的大爆発=“バズった”のはInstagramだからできたのではないだろうか。
Instagramのピコ太郎(PIKOTARO)の動画を、ジャスティン・ビーバーのTwitter以前に、フォロワー数3350万人の9gagというアカウントが回し始めている。その後一気にいろいろな9gagフォロワーがリポストを開始、あっと言う間に世界中が震撼する事態?に至ったというわけだ。Instagramで既に「PPAP」というタグが人気で、検索すると世界中でピコポップが踊られて投稿されている状況に圧倒される。
Instagramの動画には広告がないので、タグを付けるだけで国境という概念が無くなる。1分という長さが決められているのでどんどん見ていける。サビの部分で惹きつけさえすればPIKOTAROのようなネタには最強だ。しかもInstagramにはYouTubeにはない、一気に数千万の人に見てもらえるリポストという拡散機能がある。一気に全世界で売るにはInstagramは今や外せない。
一方「PPAP」にメッセージ性は全くない。共感を超えて「真似をしたくなる」が大量派生した最大のポイントだろう。一度見ると鮮明に覚え中毒的な人の記憶を科学することでバズらせることが出来る。これはマスメディアが持ち得なかった力だ。
編集加工されたマスメディアの記事情報ではなく、個から個への生情報をSNSで直接世界中から集める時代が到来している。

| 16.10.28

シベリア鉄道

2016年10月はシベリア鉄道完成100周年の年だそうだ。ロシアのプーチン大統領は、日本の北海道新幹線を延伸し、サハリン経由でシベリア鉄道とつなぐ投資を日本にするよう求めてきた。北方領土の返還交渉におけるカードとして、ロシアの要求をどうとらえるべきなのだろうか?
「シベリア鉄道の北海道新幹線への接続」構想は、ユジノサハリンスクと北海道・稚内の宗谷岬をつなぐ海峡横断鉄道(約42km)の建設がキーだ。海峡は橋かトンネルで渡し、実現すれば東京からベルリン、パリ、ロンドンまでを陸路で結ぶ、戦前にはあった夢の鉄道ルートの再現となる。しかし、その投資額は膨大だ。
「シベリア鉄道」というと、朝鮮半島が日本に属し日本が満州国を支配していた戦前は、日本から欧州へ向かう様々なルートが知られていた。旧国鉄の下関駅から船で朝鮮半島に渡りシベリア鉄道に接続するルートや、門司から大連に渡り、満州鉄道ハルピン経由でシベリア鉄道に接続するルートなど複数存在したようだ。したがって戦前は、国内の国鉄主要駅からパリ行きの切符が買えたというから愉快だ。林芙美子著『林芙美子紀行集 下駄で歩いた巴里』にも、シベリア鉄道の列車や途中の都市の様子が詳しく書かれている。
今回のロシアの提案は、両国の経済・物流・観光・人的交流への期待もあり、極東経済には大きなインパクトがあることは自明だ。1970~80年代は、シベリア鉄道モスクワ-ウラジオストック間9297kmの貨物利用はほぼ100%日本企業が占有し、シベリアを横断して欧州と結ぶ輸送の大動脈が稼働していた。しかし、現在のシベリア鉄道にゴールデンイーグル(http://www.goldeneagleluxurytrains.com/trains/golden-eagle/)という豪華列車が存在していることはあまり知られていない。欧米の富裕層向けに15日間かける豪華な鉄道旅行の料金は、一人当たり約US$16, 000~31,000と非常に高額だが人気は高いそうだ。これが北海道に接続され東京まで来るとなれば、大変な人気になることは間違いないだろう。
多極化が進む世界情勢を鑑みれば、平和友好条件締結を含むロシアとの関係強化は時代の流れだ。日本の安全保障は現在米国一辺倒で成立しているが、ロシア、中国との距離を縮めていかなければ明らかに日本経済の将来はない。トランプ、ヒラリーのどちらが米国大統領になろうとも、米国の凋落はだれの目にも明らかだ。
日本国民は一方的4島返還要求ばかりするのではなく、自立した安全保障政策、インパクトある中長期の極東開発投資のリスクを取る時代が近づいていることを、プーチンの提案から認識すべきだろう。

| 16.10.21

寝落ちサロン

人為的に「寝落ち」を体験させてくれる“日本で最初の頭専門サロン”を名乗る「悟空のきもち」(本店・京都http://goku-nokimochi.com/)が7月に銀座店をオープンさせ話題になっている。
ドーパミンなど快楽ホルモンを生成する脳幹に頭部筋膜層からアプローチする施術は、通常の安堵型の眠りとは異なり、快感(幸福感)が頂点に達して眠りに落ちる「絶頂睡眠」が得られるのだそうだ。気絶するほどの快感に近似する「絶頂睡眠」の寝落ちは爽快感が高いらしい。この施術で、眠気を感じていなくとも男性約8分、女性約10分で「寝落ち」させることが可能なのだとか・・・しかも「絶頂睡眠」というこの施術によって、頭皮が柔らかくなると頭皮の状態がバランス良くなるので睡眠の質が改善し、施術日の夜かなりグッスリ眠れるだけでなく、その効果は1週間ほど持続するという。現在4店舗で約4万人がキャンセル待ちという驚くべき人気なのだそうだ。
厚生労働省の平成25年「国民健康・栄養調査」で、睡眠の質について、「日中眠気を感じた」と回答した人の割合が男性 37.7%、女性43.0%であったというから、この人気もうなずける。
不眠症の疑いがある人たちには就寝前に特徴的な行動がみられる。高齢者はテレビ、中年男性は飲酒、若年者はパソコン、タブレット、スマホなどの操作やゲームなどに時間を使っている。いずれも脳が休息したいときに逆に覚醒を強めるような行動だ。さらに就寝時に不安感や憂鬱な気持を感じている人の割合も多く、ネガティブな気分を紛らわせるためにテレビやスマホに手が伸びるのであればまさに悪循環だ。対人関係のストレス、カフェイン摂取などに加え、寝室まで携帯電話を持ち込むようなライフスタイルの定着は、日本人の脳をより一層眠れない状態に追いこんでいるようだ。
OECD(経済協力開発機構)が2014年に行った国際比較調査での各国の15歳~64歳男女の睡眠時間を比較すると、日本人は男性・女性ともに7時間43分と韓国に次いで2番目に短かった。こうした睡眠不足による経済的損失(生産性の低下、欠勤、遅刻、早退、交通事故や産業事故の発生、医療費の増加など)は、日本睡眠学会の試算では年間約5兆円にも上るといわれている。
「質の高い睡眠」は、平均健康寿命が限界まで長くなった現代人にとって、人生の実質有効時間を更に押し上げる重要なファクターになってくるだろう。

| 16.10.14

Googlezon

Google、Microsoft、Amazon、Facebook、IBMの5社は先月、人工知能(AI)研究における新しいパートナーシップ「Partnership on AI」で提携したと発表した。海外メディアのPopular Scienceなどは、「AI研究におけるアベンジャーズの誕生だ」と大企業によるパートナーシップ提携をポジティブに報じている。しかしこの様な大提携は、パートナーシップの強さというより弱さを予感した者同士の野合なのではないだろうか?
これまでGoogleのインテリジェントパーソナルアシスタント「Google Now」やFacebookのパーソナルアシスタント「M」、IBMの「ワトソン」など、多くのIT企業がAIの研究やAIを活用したサービスの開発に熱心に取り組んできた。
そんな中2004年11月に公開されたフラッシュムービー「EPIC 2014」(http://idorosen.com/mirrors/robinsloan.com/epic/)は、インターネットの幕開けから2014年までのメディア環境を予測し、今の中国のSNSの状況をほぼ言い当てていたことで注目されている。8分の動画の内容は、GoogleとAmazonが合併した空想上の企業Googlezonが個人に向けたニュースを配信し、既存のマスメディア(ニューヨークタイムズなど)よりも大きな影響力を持つようになるというもの。Googlezonがユーザーに提供するのはメディアが発信しているニュースだけでなく、個人の手で書かれたブログや、ユーザーの属性・消費行動など状況に応じてコンピュータがカスタマイズしたもの。ユーザーは各自でプライバシー保護のレベルを設定しコンテンツを保存したりして、読んだニュースを外部に公開できるようになる。その一方でフリーランスの編集者が次々と生まれて、ユーザーは彼らの発信するニュースをより重視して購読するようになる…という未来予測。
これは正に中国のテンセント(騰訊)の提供するSNSサービス微信(WeChat)の姿だ。そのユーザーは現在すでに8億人を超えており、世界最大のSNSとなった。公式アカウントは新たな情報送信の中心となり、いかなるメディアもこの微信の存在を無視できなくなっているという。情報規制国中国のSNSが8億人をネットワークしたことで、FacebookやTwitterを凌いで、世界一民主的なメディアになろうとしているとは皮肉なものだ。
そしてその中国が今、国をあげてAIの開発に取り組んでいる。すべての言語のユーザーが自動翻訳で8億人の中国人とWeChat上で交流することになれば、それは米国のメディアにとって悪夢であり、その恐怖がアベンジャーズを生み出すきっかけになったのだろう。

| 16.10.07

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