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超過死亡

2月末に発表された厚労省の人口動態統計速報によると、2020年の日本の「死者総数」は11年ぶりに減少し138.4万人で、コロナ禍にも拘らず前年を9373人下回ったそうだ。そんな中ウォール・ストリート・ジャーナルは、世界59カ国・地域の昨年の「死者総数」が平年の水準を12%以上上回ったと発表している。
一方、国立感染症研究所は日本の「超過死亡」がマイナス2万1千人だったと発表。超過死亡とは「過去のデータをもとに統計モデルから予測される死亡数」と「実際に観察された死亡数」を比較する概念だ。
全ての死因を含むため、超過死亡がプラスだと予想を超えて国民が死に至る原因があったことを示し、マイナスだと予想以上に医療対策などが成果を上げたことを示す、のだという。
世界保健機関(WHO)の死亡率と健康に関する分析部門のコーディネーターを務めたコリン・メーザーズ氏も、「超過死亡」の統計は状況の改善・悪化を読み取る有効な手段であると言う。
ワクチン接種での日本の混乱ぶりは惨憺たるものだが、「超過死亡」のマイナス値は人口の少ないニュージーランドやノルウェーに並ぶ。因みに「超過死亡」が大きくプラスになった国ではパンデミックが起こっている可能性が高いとされる。
パンデミック対策で新型コロナワクチンをいち早く開発製造し世界中で売りまくっているファイザー社は今週四半期決算を発表したが、予想通りワクチンの収益が業績に大きく貢献、通期ではとんでもない好決算が見込まれる。
ワクチン接種が世界一の速さで進むイスラエルでは、すでに政府が屋外でのマスク着用は必要ないと宣言、同胞企業の応援プロパガンダに余念がない。ネタニヤフ首相は昨年初めからファイザー社のユダヤ人社長と計17回の会議を行い、接種者のデータを提供することを交換条件に世界最速でワクチン供給を受けたと発表している。
皮肉にもイスラエル・ヘブライ大学の研究チームは4月20日現在の「超過死亡」プラスのトップ3が米国49万人、ロシア35万人、英国11万人だと報告、これらの国こそ可及的速やかにワクチン接種が必要だったことになる。
ユダヤ系特定企業の利益に盲目的に寄与している?わが国の首相だが、プレミアを払うくらいなら国産ワクチン開発への投資を前倒しする余裕を見せてほしい。日本独自の分析に基づく、政府の毅然とした状況対応と説明力が国民を守る!それが国力であり、首相の指導力ではないだろうか?
ただし、それと世界中から人が集まるオリンピックの安全な開催とは全く別の政治判断である。

| 21.05.07

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