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ジェットタクシー

米航空機大手ボーイングが、自動操縦で飛行する電動「空飛ぶタクシー」の試作機passenger air vehicleの試験に成功したと発表した。( https://www.youtube.com/watch?v=FpaYoF12Rnk&feature=youtu.be )
ドローンのように垂直に離陸し、「60秒間浮いた」ホバリング後に着陸したそうだ。ボーイングは現時点でも「大きな進歩」だとし、世界で最も安全で効率的な移動手段として、さらに研究を進めると述べている。
「空飛ぶタクシー」を巡っては、米配車大手ウーバー・テクノロジーズが2023年の実用化を掲げ、米IT大手グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏が支援するベンチャー企業も既に試験飛行を始めている。
各国で開発競争が過熱しそうな様相を呈しているが、「まだ時間がかかる」という見方が多い一方で、ボルボやロータスの親会社、中国の吉利汽車が買収したアメリカのテラフージア社のTF-Xが実用化間近だとのニュースも出てきている。
ところで、ドローン型「空飛ぶタクシー」と並行して、我が国で俄かにその実用化が叫ばれているのが「ビジネスジェット」だ。欧米では購入者のほとんどが大企業の経営者で、ビジネスを効率的に動かすために使っている。米国では贅沢品というより既にハイエンドの実用品だ。
専門誌『Business Jet Traveler』の読者へのビジネスジェットに関する8回目のアンケート調査によると、使用目的として最も多かったのは「時間の節約」だそうだ。2位が「航空会社が乗り入れない空港を使える」、3位は「快適なフライト」、4位が「機内で仕事や会議ができる」、そして「プライバシー」、「安全性」と続く。
移動距離は77%が1500マイル(約2700キロ)以下のことが多いと回答。26%は500マイル(約900キロ)以下の移動と意外に短く、大陸間移動というより都市間移動のイメージだ。
平均的な搭乗人数は5人までと答えた人が80%。しかもフライトに食事を付けないが52%に上り、24%は客室乗務員も用意しないと回答している。
日本人は実用利用よりも贅沢な節税商品として豪華さを競い、利用目的を誤解している節がある。しかし国際的な調査では、豪華さよりも実用性を重視し、購入者はより小型の飛行機を好む傾向があり、複数での共同保有、チャーター利用も増えている。
結果、世界のビジネスジェット利用は71%を北米が占め、西欧が9%、アジア太平洋が4%、南米が3%だった。日本は未だ数に表れていない。
首都圏の管制権もままならない日本だが、ビジネスジェットのための首都圏空港整備はオリンピック前の可及的な優先課題だろう。

| 19.02.08

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