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イケメソ

最近いわゆる「涙活」を福利厚生の一環として取り入れる企業が増えているようだ。
「涙活」を提唱している涙活プロデューサー寺井広樹氏は、一緒にメソメソ泣いてくれるイケメンの感涙療法士を派遣するサービス「イケメソ宅泣便」を主宰している。「イケメソ宅泣便」は、企業に招かれたイケメンの「感涙療法士?」が、“能動的な泣き”で社員の心をデトックスして、健康的な精神を取り戻させてくれる「涙活」サービスなのだそうだ。
昨年、米誌「ナショナルジオグラフィック」と「アトランティック」、中国の新浪財経がこれを相次いで取り上げ、サービスの様子を撮影した『Crying with the Handsome Man』 ( https://news.nationalgeographic.com/2018/01/japan-crying-culture-women-handsome/ ) と題する短編ドキュメンタリー付きで紹介。
物悲しい音楽とともにハンサムな男性が企業へ出向き、泣ける動画を社員と一緒に見ながら泣いている姿が映し出される。日本にはハンサムな男性が一緒に泣いて、涙までそっとふいてくれる不思議な出張サービスがあると解説している。
「感涙療法士」の資格は、心を癒し安定感や平常心をもたらすといわれる脳内物質「セロトニン」研究の第一人者である東邦大学医学部名誉教授、有田秀穂氏が指導するセミナーを受講し、認定テストを受けると取得できるとのこと。これは寺井氏が会長を務める「全米感涙協会」が認定している新しい医療職なのだそうだ。
「イケメソ宅泣便」に所属する感涙療法士は、弟系イケメソ、オラオラ系イケメソ、癒し系イケメソなど、バラエティーに富んでいるらしい。イケメンが感動の物語を朗読したり、一緒に動画を見て泣いたり、壁ドンならぬ「頬ポン」サービスという、涙をハンカチでぬぐってくれるサービスもあり、女性には大人気だというのだ。
因みに「イケメソ宅泣便」を取り上げた米誌「アトランティック」によると、37ヵ国を対象に成人が泣く傾向を調べた国際的な調査で、最も泣きにくいのは日本人で、最も泣きやすいのはアメリカ人だったそうだ。
ところでアイドルグループ「嵐」が来年で活動を休止することになった。「SMAP」に続いて表舞台を去る国民的人気グループを惜しむ声は多く、涙ぐむファンの様子や突然の活動休止に戸惑う声などが伝えられている。“仲良し”の「嵐」が心地よかったのは、「イケメソ」的効果があったからではないだろうか?
韓流アイドルグループは高いダンス能力や歌唱力で人気だが、日本のアイドルグループは日本が「涙活」の国であることを感じさせる。

| 19.02.01

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