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KITCHIN TABLE

自分の家をコワーキングスペースとして使ってもらいたいフリーランサーと、働く場所を探しているフリーランサーを繋ぐ、女性限定のロンドン発「kitchin table」( https://www.kitchintable.com/ )が注目されている。「kitchen」でない所がミソだ。
コワーキングスペースとは、独立して働く個人が、事務所や、会議室、打ち合わせなどのスペースを共有しながら仕事を行う場所。既存のコワーキングスペースがコミュニティーの形成に向いていないところを改善し、モチベーションとなる仲間のグループ作りから進めていく。
敢えて女性限定とした「kitchin table」では、自分の家の食卓をコワーキングスペースとして解放するホストが、ファシリテーターとしての役割も担っている。ホストの家を訪れた参加者は、その日に達成したいゴールを発表し、ホストは休憩時間にアイスブレイクとなるアクティビティーを用意する。また、ランチタイムも設定されるなど、一緒に働いている人たちのコミュニケーションを促す仕組みだ。良好な人間関係を築く機会となり得るように、最適な人数は3~6人だという。
今年2月にはニューヨーク発のコワーキングスペース大手「WeWork」が日本に上陸し、サービスを開始したばかりだ。いまや数千もの大企業がコワーキングスペースの使い方を研究し、女性登用とイノベーションの促進剤として活用しようとしている。特に「#MeToo」に代表される女性の意識の高まりから、女性をターゲットにしたコワーキングスペースが欧米で続々とオープンしている。
「WeWork」では3200万ドル(約35億円)を投資して、女性専用のコワーキングスペース兼クラブ「The Wing」(https://www.the-wing.com/ )をニューヨークの2カ所に開設、入会は現在8000人待ちなのだそうだ。ロンドンの女性専用のコワーキングスペース『AllBright Club』の共同設立者によると、イギリスでは新卒女性の50%がビジネスにおける成功願望を抱いているにもかかわらず、その割合は2年で16%まで落ち込んでしまうという調査結果もあるようだ。セクハラを含む性差別は女性のモチベーションを低下させており、ストレスのない労働環境への期待がコワーキングスペース発生の原動力となっている。
女性活用がここまで注目されていながら、女性大臣を1人しか登用できない日本の現状。しかも「男性化」することが暗黙の了解であるかのごとき人選。これでは日本の未来はないとしか言いようがない。
まさに生産性がないコミュニティー欠如の「国会」に、コワーキングスペースでも設けてみてはどうだろうか?

| 18.10.19

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