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五つ星ホテル

英不動産総合コンサルティング会社ナイトフランクによると、五つ星ホテル軒数の都市ランキング(2017年)は以下の通りだ。
1位ロンドン75、2位ドバイ61、3位ニューヨーク59、4位パリ56、5位マイアミ46、6位ロサンゼルス39、7位バンコク33、8位上海33、9位ワシントンD.C.32、10位ローマ32。残念ながら日本の都市はランクインしていないが、新観光立国論のデビッド・アトキンソン氏によると東京には19あるそうだ。
ホテルの格付けには世界基準があると思われがちだが、実は絶対的なルールはなく主観的なものだ。英国、フランス、ギリシャ、インドネシアなど、国によっては政府が格付けシステムを設けているところがあるが、その多くは物理的な施設(客室面積やレストラン数など)を基準にしており、必ずしもサービスの質には適合しない。
しかし、高級ホテルが多くあることはその都市の平均的な宿泊料金を引き上げており、観光が都市の重要産業となる21世紀においては、五つ星ホテルの数は「都市GDP」を表す重要な指標になって来ている。
ドイツのグローバル宿泊ソリューションサービス会社HRSの2018年のレポートでは、五つ星ホテルが最も多いロンドンでホテルの平均宿泊料金は1泊217ドル(約2万3000円)、3位のニューヨークでは1泊306ドル(約3万2000円)と世界最高である。
一方、ナイトフランク社は「都市の現在価値」も発表している(http://www.knightfrank.com/wealthreport/2018/global-wealth/urban-power)。
都市を、富裕層によって創出される「富(富裕層の数)」、「投資」、「生活スタイル」、「未来」に基づいて総合評価するものだ。
それによると、総合評価1位はニューヨーク、2位ロンドン、3位サンフランシスコで、アジアからは6位シンガポール、8位東京、9位香港がランクインしている。因みにパリは7位だが、中国の各都市は大きく順位を落とした。
こうして見ると富裕層の中でも特にハイエンドの誘致が東京(日本)の課題であろう。如何にして彼らに日本に「住んで」貰うのか?ハイエンドの長期滞在と団体客の短期滞在とでは経済効果の違いは明らかだ。そのための入口となる空港・港湾の規制緩和と、アップサイドのある投資プロジェクト(ハイエンドレジデンス等)の誘致は最重要テーマだ。
五つ星ホテル&レジデンスの数は分かり易い指標である。トップランクの国には、日本には殆ど無い五つ星を超えるレベルのアコモデーションが数多く存在することも忘れてはいけない。

| 18.06.08

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