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ノキア復刻

アメリカではスマートフォンを持たない高齢者が7,500万人いると言われている。スマートフォン所有率は65歳を超えると30%と極端に落ちる。一方、65歳以上のガラケー利用率が77%と意外に多いことに驚かされる。
日経新聞によると、日本のガラケー市場は平成28年の携帯電話出荷台数3,606万台の内664万台(18.4%)とのこと。また総務省が公表した「平成 28 年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、60代のガラケー利用率は69%に上るようだ。
アメリカと日本の統計の指標は完全には一致していないが、引退した65歳以上の高齢者になると75%前後がガラケー利用者である点は似ている。
スマートフォンが世界の携帯市場を席巻する中、相変わらずガラケーを持ち続けている高齢ユーザーや、新たなスマートフォン・サービスの登場を気にしない若手ユーザーの存在が、世界的に無視できない規模なのは興味深い。
映画「マトリックス」で有名になったスライド式カバーを備えて1996年に発売された「Nokia 8110」(https://www.nokia.com/en_int/phones/nokia-8110-4g)は、今年「フューチャー4G」として独自のOS、KaiOSを搭載して発売された。Google Assistant、Google検索、Google Map、Facebook、Twitter、Gmail・Outlookなどとの同期を可能にしてスマートフォンに引けを取らない。
市場調査情報を公開する「statista」が発表したデータによると、2014年の時点までは?世界市場におけるガラケー(フィーチャーフォン)とスマートフォンの出荷台数はほぼ均衡していた。その後大きく差は開くことになるが・・・
テンキーでサクサク操作ができ、簡易的にでもSNSができデザインも楽しめる。ノキア復刻版をきっかけに、高齢者だけでなく広い層でスマートフォンライクな4Gフィーチャーフォンが見直されそうな気配だ。
携帯電話が登場して30年。今やSNS全盛時代で、通話とSMSだけでコミュニケーションを図る人は確実に減っている。起きたらすぐスマートフォン、時計見るのもスマートフォン、写真撮るのもスマートフォン、休憩時間もスマートフォンと、気が付くと1日の大半をスマートフォンと向き合っていることに疑問を感じ始め、ガラケー(フィーチャーフォン)に戻す人も少なくないようだ。
安いスマートフォンは通信スピードが遅い。それに対してガラケーのフィーチャーフォンはスピード感もあり、デザインやライフスタイルにこだわった人たちが年齢を超えて使っている。
ノキアの復刻で、スマートフォンから自由になれるか?

| 18.05.11

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