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Me Too!

1月6日にハリウッドで行われたゴールデングローブ賞授賞式で、黒のドレスを着た女優たちが次から次へとレッドカーペットを歩く光景は一種異様だった。ハリウッドにおけるセクハラと差別に団結して抗議するキャンペーンだという・・・
始まりは、敏腕プロデューサー、ハーヴィー・ワインスタインが、昔から女優たちにセクハラや性的暴行をしていたとの疑惑がニューヨーク・タイムズやニューヨーカーで報道されたことだ。すると「私も彼にセクハラされた」、「私もレイプされた」と声を上げる女性たちが続出し、女優のアリッサ・ミラノが「Me Too!」と声を上げるよう#metoo (https://twitter.com/hashtag/metoo?src=rela)で呼びかけ、ムーブメントとして広がった。しかし殆どが随分昔の話で異論もあったようだ。
騒ぎの発端となったハーヴィー・ワインスタインは、「男女は全く異なる存在で女子は男子より劣る」という男尊女卑の固定観念の中で育てられて思春期に至り、「男が性的な逸脱行為に及んでも構わない、男とはそういうものだ」とセクハラしてしまうタイプだと見られている。
一方この運動に対し、仏女優カトリーヌ・ドヌーブは仏女性作家ら約100人と連名でルモンド紙に公開書簡を発表し、「男性が女性を口説く自由は認められるべきだ」と男性側を擁護。「性暴力は犯罪だが、誰かを口説こうとする行為は、たとえしつこかったとしても犯罪ではない」と微妙な主張で、男性が不当に名誉を傷つけられていると逆抗議。
自分が美女だと自覚するドヌーブだから言えること?だが、彼女はその後性暴力被害者からバッシングを受けて、既に謝罪してしまったらしい。恋愛かセクハラかの境界線は曖昧なままだが、昨年まで殆ど裸同然のような挑発的ドレスで授賞式に登場していた女優が、10年前にセクハラを受けたと言い張ってもピンとこない向きもあるだろう。今年も色は黒だがはだけ過ぎと指摘された女優が何人もいたようだ。
日本の現実は、ストーカーから殺人鬼に変身する事件も起きているので穏やかではない。また某女性議員に、「このハゲー!!」と怒鳴られたおじさん秘書をはじめ、パワハラや逆セクハラで「Me Too!」と声があげたい男性被害者も多いと思われる。
声を上げることは大事だが、この手のキャンペーンは行き過ぎるとそれ自体が暴力になる。
熱帯魚のメスのグッピーが、オスの行き過ぎたセクハラに対して死をもって抵抗する、という次のリンクには考えさせられる。
http://www.afpbb.com/articles/-/2502873?pid=3195307

| 18.01.19

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