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Ryokan

世界的な民泊予約サービスのAirbnbが、予約データに基づいた『2018年の全世界旅行トレンド予測』(https://press.atairbnb.com/ja/2018-travel-trends/)を発表した。人気都市ランキングで1位に輝いたのは、なんと「東京」だった。
続いて2位がパリ、3位大阪、4位ニューヨーク、5位ロンドンと世界の大都市が上位を占める中、大阪も健闘している。中小都市で人気が高いのは、8位のマイアミ、10位のリスボンだ。
興味深いのはタイプ別宿泊先の結果だ。スタンダードな都会のマンションよりも、ユニークな日本の旅館などが前年比600~700%と大幅に予約数を伸ばしているのが今年の特徴だ。
日本の「旅館」には外国人が泊まる際に多くの「ハードル」が存在する、と長らく言われていた。「長期滞在に不向き」、「ファミリー層に不向き」、「ルームサービスが不十分」、「夜のエンターテインメントがない」、そして「老朽化が目立つ」など、これまではグローバル化へ向けて不向きな点ばかりが強調されていた。
ところがグローバル化の波に乗り切れなかった日本「旅館」が、最近プラスにカウントされはじめているのだ。中でも世界最大の旅行口コミサイト「TripAdvisor」の「行ってよかった!外国人に人気の日本の旅館 ランキング 2016」では、なんの変哲も無い東京下町の古い旅館「澤の屋」が3位に入ったりしている。
高級旅館だけでなく、リーズナブルでアットホームな宿が続々とランクインしてきているのだ。英語対応がきちんとできていることも大切だが、評価に共通するのは日本「旅館」そのものが興味の対象となり、宿泊自体がイベントとなり得る点だ。日本らしい繊細なサービスだけでなく、「旅館」の不自由なところにも新鮮さがあり、興味の対象なのだ。インバウンド客には「旅館」を“体験”する傾向が強まっているようだ。
最近は「ちょっとだけ日本料理を作ってみる」等の、日本料理体験プログラムを導入している旅館が増えている。Airbnbでも「体験」予約のカテゴリーで一番人気があるのは「フード&ドリンク」で、予約全体の29%を占めているとのこと。宿泊先でローカルな食に関するワークショップに参加したり、クラフトビールやカクテルのテイスティング、民宿家庭料理を堪能するといったローカルな体験をすることが、Airbnbのゲストにとって最も強い魅力になってきていることがわかる。
「日本Ryokanで、Futonの上でSleep体験したい!」というインバウンド観光客がますます増えて行くだろう。2020年にホテル不足なら、究極は「お寺に泊まる!」か??

| 17.12.15

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