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ガラホ

昨年あたりから携帯各社は、ガラケーならぬ「ガラホ」の販売を開始している。
「ガラホ」とは何か?ガラケーとスマホを合わせた造語で、ガラケーの操作感そのままにスマートフォンと同じ「アンドロイド」で動く携帯だ。多機能すぎてスマホを使いこなせない、片手で操作できるシンプルなガラケーが好きという人向けらしいが、実際には「LINE」が利用できるガラケーとして注目されているようだ。
総務省が発行した「平成28年版 情報通信白書」によると、直近3年間のスマホ普及率は増加傾向にあるものの、平成27年末で53.1%と先進国では低い。アウンコンサルティング(株)(https://www.globalmarketingchannel.com/press/pdf/0318.pdf)の調査によると、国別ではシンガポール88%、韓国・スウェーデン83%、オーストラリア77%、中国74%、英国71%、ドイツ65%、フランス・イタリア62%、ロシア61%、米国58%、トルコ56%、日本53%と続く。日本より低いのは、ナイジェリア51%、インドネシア43%、フィリピン41%、タイ40%、インド33%など、人口が多く貧富の差が極端に大きい国だけだ。日本はガラケー王国であったことから、先進国でありながらスマホ普及率が低いのが特徴だ。
また、国別のSNS利用率(「平成28年版 情報通信白書」)でも、中国94.8%、韓国90.9%、米国81.9%、英国78.1%、ドイツ74%など、日本の60.9%は先進国の中で相対的に低い。各国とも一般的には「Facebook」の利用が目立つのに対し、中国は高齢者も含め「微博(Weibo)」と「微信(WeChat)」の利用率が高く、日本は「LINE」の利用に偏っている。また高齢者(60代)のソーシャルメディア無視が目立つことも特徴で、ここにも日本社会の特異性が現れていて面白い。
日本の携帯業界は、過去ガラケーで海外進出の失敗を繰り返したが、内需がそこそこ大きく新機種を生み出す技術力があったことから、世界標準から取り残されながらも生き延びてきたのだ。
欧米系先進国は基本的にiOSとAndroidのスマホベースでSNSが発達し、その影響力は技術力のない後進国エリアを巻き込んできた。一方、中国のグレートファイヤーウォールと日本のガラホは独自の考え方で異彩を放っている。しかし、そんなスマホビジネスの世界で、日本人1億2500万人の内需だけではどうにも戦えないことはハッキリしている。
ここ数年のうちにスマホとSNSの市場で独自の世界戦略を持ち得なければ、日本企業は単なる部品供給担当に成り下がるであろう。

| 16.09.09

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