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Ninja(忍者)

世界に通用するジャパンコンテンツとして、「Ninja(忍者)」に再び注目が集まっている。
映画やアニメなどの影響で、世界中で関心は高い。グーグルが行った調査によると、「NINJA」というキーワード検索は世界的に年々増加、国別に見ると1位がアメリカで2位がインドネシア、その両国が圧倒的多数を占め、そのあとにタイや台湾、南米のコロンビアなどが続くそうだ。
実在した忍者はいまだに謎に満ちているが、その謎を科学的な視点から明らかにする画期的な企画展「The NINJA―忍者ってナンジャ!?」が、東京・お台場の日本科学未来館で7月2日から開催されている。貴重な歴史資料や忍者道具を展示するとともに、三重大学などで近年始まった学術研究の成果を踏まえて、手裏剣打ちや跳躍力を鍛える修行体験、任務をこなすための記憶術や伝達術、最も大事な呼吸法などが紹介され、その歴史的意味にせまっている。
NHKのBSプレミアムでは「いま忍者 初見良昭八十四歳」が放送された。900年の歴史を持つと言われている戸隠流忍法第34代宗家 初見良昭(http://www.togakure.sakura.ne.jp/index.html)は現在84歳、世界中で忍術を指導してきた。弟子の8割が外国人で国内外に20万人近くいると言われ、有名アクション俳優も指導を受けに訪れるし、弟子の中にはFBIエージェントや軍人もいるらしい。ちなみに初見がたどり着いたのは「力に頼らない忍術の境地」なのだそうだ。
忍者は「心・技・体」の総合的な力を兼ね備えた存在であり、忍術は自然や社会に対する実践的な知識の蓄積だ。地道なトレーニングを積み重ね、自然や周りの環境に応じて創意工夫しながら活動し、モットーは何が何でも「生き抜く」。まさにアスリートの心境であり、ビジネスの現場にも応用できる、現代人に通じる「心得」だ。忍者のポーズとも言われ、ラグビー日本代表、五郎丸選手の「ルーティン」がブームとなったが、彼のように「印」を結ぶと、10分程度は集中力が向上し体の力みがとれて落ち着いた状態になることが解明されている。
神秘的で超人的にカッコいい「Ninja(忍者)」は、日本の観光戦略のコンテンツとしてますます期待が高まっていく反面、意外と日本人自身は忍者の仕事とは、実は争いを避けるための情報収集であり、平常心と集中力を養うためのものという事を知らない。
2020年の東京オリンピックは、是非この「Ninja」魂で、外国人を驚かしてもらいたいものだ。

| 16.09.02

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