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パッション・サーチ

世界最大のオンライン宿泊予約サイトであるBooking.comが、ユーザーの興味やテーマからおすすめの目的地を簡単に検索できる新ツール「パッション・サーチ」(http://www.booking.com/destinationfinder.html)の導入を発表し話題になっている。この新しい検索方法は、ユーザー個人のパッション(情熱)や興味に対し、最適な目的地や滞在先を見つけてくれる。これまで旅行業界で導入されていた、特定の都市や宿泊施設名からの検索方法と比べて非常に包括的な方法で、旅行検索サービスの変革と言えそうだ。
この「パッション・サーチ」を可能にしているのが、創業以来10億人を超える宿泊者から蓄積されてきた2,600万件以上のユーザーの声というビッグデータだ。一人ひとりの好みを学習して旅先をリコメンドする独自のアルゴリズムが、ユーザーが新たにコメントを加えることで更に賢くなっていく。インターネットとAIアルゴリズムで人の感情と結びつくテクノロジーが、新しい「旅のつくり方」を生み出したと言える。
未来のテクノロジーは、人間の「感情表現」の手助けを最優先に発展すると考えられている。人工知能(AI)や、ロボット技術、ナノエンジニアリングの発達により、「感情認識技術(emotional technology)」の開発が急激に進み、半世紀以内に登場すると見られる技術の一つが、“場の雰囲気を読む”技術だそうだ。人々が争ったり、人間関係に悲しみが生まれたりするのは、「自身の感情を的確に相手に伝えることができない」という点に起因する。そこでその弱点を克服するための「場の雰囲気を客観的に表す技術」が登場すると予測されているのだ。この技術は、人と人がどのタイミングでどんな感情を持っているのかをインターフェースで表示してくれる。仕事から帰宅して何も話す気力がないほど疲れている時に、「怒っているわけではなく、ただ疲れているだけ」ということを家族に伝えたり、パーティーで異性に話しかける際に、恋人に対して「君に興味がなくなったのではなく、自分がまだ他の異性にとって魅力的かどうかを知りたいだけ」と伝えることができ、余計な誤解を招くことがないというのだ。
しかし一方、誤解のない世界がどんな意味を持つというのだろうか?誤解への対処が人の諸々のいとなみを味のあるものにしているのではないだろうか?AI技術はエンジニアの仮設が幼稚だと、とんでもない無用の長物になる恐れがある?

| 16.07.22

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