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渡来人

トランプ大統領の、特定国からの入国を一時中止する大統領令は、遂に法廷闘争にまで発展した。
かつての移民とは違い、移民関連法が存在する現代、テロリスト及び麻薬密輸関連の違法移民を確認排除したいという大統領令の目的は、当然と言えば当然の様にも思われる。しかし合衆国成立には、「ピューリタンを始め、世界中のあらゆる迫害から逃れて来た移民によって国が出来上がった」という背景と誇りが有り、大統領令に反発する根源となってもいる。
二千年以上遡ると、古代日本の成り立ちも多くの渡来人により建国され、英国系移民を中心として始まったアメリカ合衆国の歴史に類似している。
日本国の支配者の本流は、紀元前221年に中国大陸に秦が最初の統一王国として成立するにおいて、秦の圧政下から逃れた異民族が新天地を求めて大陸を出、渡来人として日本を含む周辺諸国に来たことに遡る。また秦はユダヤ系部族であったとも言われ、日本にユダヤとルーツを同じくする言葉や風習が多く残るのはその痕跡と見られている。
秦の始皇帝が完成させた万里の長城により、アラブやトルコなど西方イスラム文化圏からも東方へ移動しやすくなり、民族が続々と日本列島に渡来したことは正倉院の宝物が証明する。これは、厩の王(今年の教科書から聖徳太子とは言わなくなるそうだ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12920600U7A210C1CR8000/)や、天武天皇、聖武天皇のルーツが渡来人であり、いわゆる移民により新しい国と文化圏が創生されていったことを想像させる。
奈良時代の平城京は、世界的に見ても当時稀有な国際移民都市であったと思われる。従って土師、薬師、図師など渡来人ならではの苗字が今なお多く存在する。平家物語冒頭、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」という一節で有名な「祇園精舎」は日本の寺ではない。また日本三大祭りの一つ「祇園祭」はユダヤのシオン祭がルーツであるという説も有力だ。「祇園祭」ハイライトの山鉾巡行とイスラエルのシオン祭が今でも共に7月17日に行われているのは単なる偶然ではないだろう。
失われたアークが山鉾だとする説も有力で、実は日本は大移民国家なのだ。
多民族国家として成立した古墳時代から奈良時代に至る日本は、二千年近い時を経て、増え続ける移民に苦しむ現在アメリカの姿に重なるように思われる。
先日ゴルフで意気投合したばかりの安倍首相とトランプ大統領だが、どちらも実は渡来人であることを忘れてはいけない。

| 17.02.17

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