trendseye

仏ライフ

寺社フェス、寺カフェ、尼僧(にそう)バー・・・今、若い世代を中心に、従来とは違う形で仏教や僧侶が関心を集めている。テレビ朝日で放映中の『お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺』も仏教をテーマにした番組だが、ゴールデンに進出し宗教番組としては異例の高視聴率を上げている。
港区の増上寺で開催された「向源」(http://kohgen.org/)は、ここ数年ゴールデンウィーク中の5月2日と3日に開催されている寺社フェス、宗派を超えた仏教と音楽を軸としたイベントとしてはじまった。今年は坐禅入門、仏教×神道トークショー、能楽体験などなど、およそ40種類の体験が行われ、当初の目標である5000人を超える6000人の来場者で大盛況だったそうだ。これまでの仏教ブームの中心は30~40代の女性だったが、「向源」の参加者は年々幅が広がり、20代の若者や男性も多くなってきているという。また9.11や3.11以降、テロや大震災を経験して、いつどんなことが起きるかわからない『諸行無常』を肌感覚として実感する人が多くなったことが、こうしたイベントの増加につながっているのではないかと思われる。
寺に行かなくても気軽に仏教体験ができる「寺カフェ代官山」(東京・渋谷)も人気だ。川崎市にある信行寺が運営するカフェで、精進料理を食べるもよし、3人の僧侶がローテーションで常駐しているので、悩み相談もできれば写経や念珠(数珠)作りも体験できる。
ロウソクの炎がゆれ、線香がくゆる中、カウンターには本物の尼僧と尼さんの格好をしたスタッフが立つ「高円寺・尼僧バー」(東京・杉並区)や、お坊さんがバーテンダーを務め、客の様々な悩みと向き合う「中野・坊主バー」(東京・中野区)も人気だ。
信仰ということではなく、お釈迦様が仏教を開いてから今日まで約2500年の歴史の中で培われてきたアジア的価値観への関心が高まっているのではないだろうか?
4月からdot.でスタートした「仏像さんのつぶやき」(http://dot.asahi.com/butsuzo)は、アジアや日本の仏像やお地蔵さんが日替わりでなにかを呟くというものだ。仏像のユニークな表情とともに、その言葉から安らぎが伝わってくる。
一神教の価値観がもたらす、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の負の連鎖とテロへの無情感が、仏教人気の背景か?

| 15.06.12

CATEGORY

  • BOOM
  • FOOD&RESTAURANT
  • LIVING&INTERIOR
  • SCIENCE&TECH
  • TRAVEL
  • TREND SPACE
ART BOX CORP.