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個室トイレ男子

最近高速道路のサービスエリアの男性トイレで、個室トイレを増やす工事が進められている。
NEXCOのサービスエリアにあるトイレは2015年年頭に、近畿・中四国・九州に計304か所あり、男性の個室トイレは33%を占めるまでになってきているそうだ。理由として、個室トイレの使われ方の多様化があげられている。子供連れの父親が利用したり、男の子が洋式トイレで座って小用を足したりと、家庭で洋式トイレが一般化したことも大きいようだ。並行して個室トイレの利用時間も伸びているらしい。NEXCOが新名神道の男性トイレの使い方を調査したところ、1回の平均利用時間は個室トイレで3分15秒と、5年ほど前よりも1~2割長くなっているという。「洋式トイレでは座って楽な姿勢をとれる。個室でスマホをさわるなど、一息つく人もいる」とみられている。
時代の移り変わりとともに、トイレ様式も少しずつ変化を遂げている。特に洋式便器やウォシュレットの一般化などが男性の小便スタイルに与えた影響は大きい、TOTOの昨年の調査によると、洋式便器に座って小便をする人は36%に及び、さらにその割合は年々増加傾向にあるという。トイレ空間へのこだわりは女性のほうが強いが、 “座る派”男子がさらに増えることで、男性の“トイレ=リラックススペース”という意識はさらに高まっていくのだろうか?
そうした中、4月に成田国際空港の第2旅客ターミナルに体感型トイレ「ギャラリーTOTO」(http://www.toto.co.jp/gallerytoto/)がオープンした。「L字」「T字」など様々な個室形状で、最先端のTOTO製品が記憶に残る演出で設置されている。除菌しながら汚れを落とし脱臭する清潔で汚れないトイレや、スマートフォンで水も流せて、トイレ本体に内臓したスピーカから音楽も楽しめる多機能トイレも登場し、 “トイレ先進国”日本が世界に発信されている。
一方、「友達がいないのかな」と思われることを恐れるあまりトイレで食事をする「便所飯」が話題になるなど、SNSの発達等により人とつながることが簡単になった反面、人とつながっていないことをマイナスに捉えるようにもなっている。トイレが快適になればなるほど、ついついトイレで食事をしてしまうなど長居をする人がますます増えそうだ。
通信ネットワーク時代が快適な個室を求める人を増やすとはなんとも皮肉な社会現象だ!

| 15.06.05

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