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日本人ショコラティエ

1995年から毎年、パリで世界最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が開かれている。バレンタインデーを前に、日本では「サロン・デュ・ショコラ」日本版(http://www.salon-du-chocolat.jp/)が大盛況だ。1月21日に新宿NSビルからスタートして、京都、大阪、福岡、名古屋、仙台、そして札幌と、2月15日まで全国の百貨店をまわっていく一大イベントになっている。
本場パリの「サロン・デュ・ショコラ」では、ここ数年日本人のショコラティエの活躍が注目されている。昨年は、兵庫県三田市の「パティシエ エス コヤマ」のオーナー小山進氏と、パリに菓子店「パティスリー モリ・ヨシダ」を持つ吉田守秀氏が、出品した約200人のチョコレート職人のうち12人に贈られる最優秀賞を獲得した。また、パティシエの辻口博啓氏が渋谷ヒカリエで手掛ける「ル ショコラ ドゥ アッシュ」は、ショコラ専門店に与えられる最高位の5タブレット金賞を2年連続で受賞した。これは、フランスで最も権威のあるチョコレート愛好家協会「クラブ・デ・クロクール・ド・ショコラ(C.C.C) 」によるショコラ品評会が選ぶものだ。同協会は“チョコレート版ミシュラン”とも呼ばれ、世界的に大きな影響力がある。
日本人は、異文化を吸収しそれを本国人も驚くほど極めるという感性を持っている。欧米で修業をし、丁寧で繊細な職人技で対象物を世界的高レベルまで引き上げる匠の技だ。チョコレート然り、ウイスキー然りだ。
パティシエの辻口博啓氏は、「和を以て世界を制す」をモットーに、和とチョコレートの融合で世界に挑戦するとしている。その反面、国のお墨付きで多額の予算をかけ、「日本の文化」を「クールジャパン」と称して、海外に売り込もうとする官民ファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)」は、その存在そのものがなぜかクールではない様に感じる。

| 15.02.13

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