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KAGURA

しくみデザイン(http://www.shikumi.co.jp/)が企画・制作した、ジェスチャーとモーションによる音楽アプリケーション「KAGURA」のWindows8.1版の無料配布が開始され話題になっている。「KAGURA」は、コンピューティング技術コンテスト「Intel Perceptual Computing Challenge 2013」(https://software.intel.com/sites/campaigns/perceptualshowcase/)において、全世界16か国、約2,800件の応募の中からグランプリに選ばれたアプリケーションだ。人の動きを解析して音楽を創り出す特許取得技術により、何も持たず、何にも触れず、自由に身体を動かすだけで音楽や映像を創造する。カメラで撮影された自分の体の動きに応じてビジュアルエフェクトが発生したり、音楽を奏でたり、意外な創造性が画面一杯に広がるのが特徴。何もなかったモニター上に、手の動きや声とともに音が次々と上書きされていくのだ。音楽とアートの現在を担う13名が考える200年後の楽器「Future Instruments」の中で、建築家の隈研吾氏は、「未来の楽器は物体ではなくなっている」と述べた。ジョン・ケージの「4分33秒」的な音楽観を披露しながら、「道具によって生み出した音」ではなく、「周囲に存在する音」こそ重要になるというのだ。「KAGURA」は、もともとは楽器の弾けない人でも演奏を楽しめるようにという思いで開発されたものだ。これまで、楽器を自在に演奏し音楽を奏でるためには、リズム感や演奏技法を習得する難しさが障壁となっていたが、このアプリによって、“演奏し、音楽を楽しむ“可能性が大きく拡がりそうだ。楽器を究めることで生まれる音楽と、感性が全てになる音楽表現と、どちらが人を感動させるのか?コンピューティング技術の助けで人の感性は解放されていくのか?
最後に残る"人"の存在とは、「脳」と「精神」だけになるのだろうか?

| 15.01.30

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