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モトモドル

バンダイの自販機専用カプセル玩具「ガシャポン」の新作で、1月末から発売されている「寿司フィギュア」が人気だ。ばらして組み替えると、魚など元の食材の形にトランスフォームするカプセル玩具「逆再生 モトモドル」だ。テレビ番組のキャラクターを使用していないカプセル玩具としては、発売前に異例の10万個を受注したほど注目されている。
「逆再生 モトモドル」は、「まぐろ」「いくら」「いか」「かっぱ巻き」「たまご」の全5種で、商品は直径約50mmのカプセルに収まるミニチュアサイズとなっている。それぞれ「まぐろ(寿司)→マグロ(鮮魚)」、「いくら(寿司)→サケ(鮮魚)」、「いか(寿司)→イカ(鮮魚)」、「かっぱ巻き(寿司)→キュウリ(食材)」、「たまご(寿司)→タマゴ(食材)」に変形させられる。寿司のフィギュアを分解し、組み替えて元の素材の姿に戻す遊びを通して、子どもには楽しみながら食材の元の形に興味を持つように、大人には変形遊びの楽しさを思い出しながら懐かしさを感じてもらえるようにしたということらしい。
「ガチャポン」や「ガチャガチャ」などと呼ばれるカプセルトイは、以前は子ども向けの玩具だったが、ここ数年はインパクトのあるユニークな商品を中心に大人がハマってしまうケースが増えている。“10万個売れれば好調”と言われるカプセルトイの中で、戦うサラリーマンの土下座姿をデザインした「土下座ストラップ」シリーズは、売上累計100万個突破。OL風の出で立ちで、いろんなポーズでコップのふちに座ったりよじ登ったりする「コップのふち子」シリーズは、400万個近く売り上げている。“カプセルトイは面白い”が大人たちに定着し、コミュニケーションネタにする以外に使い道はないのに、何故だか場を和ませるきっかけに欲しくなってしまうものになっている。
外国人は、日本のカプセルトイ好きを「Only in Japan」と驚愕する。安全で精巧な造りは、日本人のきめ細かさが凝縮された逸品と言えるが、それ以上に過度に緊張感を強いるオフィスや社会生活がカプセルトイのマーケットの背景にあるのだとしたら、売れれば売れる程考えなくてはいけないのかも?

| 14.03.07

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