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適正人口シンドローム

富を分け合う時は人口は少ない方が良い。富を作り出す時は多い方が良い。これは永遠の真理であろう。
厚生労働省は1月1日に最新の人口動態統計の結果を発表。2013年における人口の自然減は24万4000人と過去最高を記録し、総人口は1億2722万人となったそうだ。日本の人口減少は「ジャパンシンドローム」とも呼ばれ、これから多くの新興国が直面するだろう人口減少をいち早く経験するサンプルとして、世界中からその動向が注視されているという。日本にとって1億2700万人は多いのか少ないのか?答えは簡単だ。富を享受するには多すぎ、富を作り出すには少ないということだ。
多くの人口(特に若い世代)を抱えている国は、強い成長力を秘めるとされてきたが、これは本当なのだろうか?その好例が現在の中国でありインドであり、戦後の日本だった。総務省統計局「世界の統計」によると、1950年の日本の人口は8300万人だったが、人口増加と豊富な労働力を背景に世界第2位の経済大国にのし上がったとされている。国富を創出する為に人口を8300万人から1億2700万人にしたとも言える。しかし成長時に貯めた富は、分配前に吸い取られてしまった。バブル崩壊は富が無くなったのではなく、「売り抜かれた!」ということに日本人は寛容すぎるのではないだろうか?一方、適正人口規模を食糧自給率やエネルギーの供給量とのバランスで決めると、5000万人前後が適正と言う意見は最も説得力がある。
若年層がリタイアした人を支えるのは当たり前のように報道されているが、これもおかしい。団塊の積み立てた年金を消滅させたのは誰なのか?一つ目として役人の失策は明白だ。二つ目は米国の為替コントロールと投資ファンドによる搾取だ。プラザ合意以降の米国主導の金融政策、中東からの強制的石油輸入と原子力発電の導入によるエネルギー政策、すべて戦勝国米国に利するように日本は散財させられてきた。人口増を奨励する論調の陰にあるこの『密約』に気づかなければならない。団塊世代の築いた国富はどこへいったのか?それを見極めずに少子化担当相が、秘密保護法成立に尽力していたのはパロディーだ。
早く敗戦処理を完了させて本当の自立国家にならなければ、エネルギー供給も食糧供給も米国の言うがまま、「適正人口」も決められない。

| 14.01.24

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