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セルフィー

英オックスフォード大学出版局のオックスフォード辞典が、世界の英語ウェブサイトで頻繁に使われた言葉から選出する「The Word of the Year」で、今年選ばれたのは 「selfie(セルフィー)」。スマートフォンやウェブカメラで自分撮り(自撮り)をしてソーシャルメディアにアップすることを意味する。セルフィーに夢中になっている人を selfie-taker(セルフィー・テイカー)と呼び、セレブの間でも流行している。
ジャスティン・ビーバー、レディ・ガガ、マドンナなどがセルフィー・テイカーとして有名だ。過度なセルフィーは selfie obsession(セルフィー中毒)とも呼ばれているが、もともとは携帯電話やデジカメで自分を撮ることを指していた。スマホの普及に伴いブログやSNSで自分の写真を掲載する人が劇的に増え、使用頻度が過去12か月で『170倍』にも増加した為、「セルフィー」は流行語と認定されたようだ。
アメリカでソーシャルメディアを利用している10代の若者のうち、今や91%が自分の写真をサイト上で公開しているそうだ。イギリスの10代の少女の間では、インターネット上の匿名掲示板に顔写真を投稿して「私ってかわいい?」「私ってセクシー?」と、外見に対する承認を求める行為が急増している。
Facebookからの30億ドルの買収提案を袖にした、「Snapchat(http://www.snapchat.com/)」の自動消滅写真投稿サイトもセルフィーの勢いを増したと言える。Snapchatは、仲良しの知り合いに写真や動画をスマートフォン同士で配信し、視聴後(1-10秒内)に自動消滅する仕組みだ。2013年2月に毎日6千万枚の写真が交換されていたのが、5月には1.5億枚が交換され、最近は多い時で1日3億5000万枚にも上るらしい。
英語圏ではソーシャルメディアが、新しい形の「ナルシシズム(自己愛)」を呼び覚ましているが、その背景には「自己顕示」を良しとする文化がある。アジア圏にはLINEに象徴されるように、最高の意思表示は直接言わなくても伝わる「以心伝心」を良しとする文化がある。ソーシャルメディアはユーザーの微妙な心理を捉える事から真に“民族文化”のメディアとも言えそうだ。


| 13.12.13

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