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クロナッツ

ニューヨークで大ブレーク中の新しいデザート、「Dominique Ansel Bakery」(
http://dominiqueansel.com/)の『クロナッツ(Cronuts)』。伝統的なクロワッサンのパイ生地を使い、丸くドーナツのような形状にしてからたっぷりの油で揚げ、クリームをつめ、そこにメープルシロップをかけたのちシュガーのトッピングをしたもの。クロワッサンのように外はカリッ、中はミルフィーユ状でコシのある高級ドーナツっぽいモチモチ感。生地だけでも美味しいのに、中央部にはさまれたカスタード・クリームと上部にかけられた月替わりのフレーバークリームで、味の変化も楽しめるという一品だ。ソーホーの店では毎朝200~250個しか作れず、開店からすぐに完売してしまうため、1個5ドルがなんと20~30ドルで転売されるという事態も発生するほどニューヨーカーたちを熱狂させた。
そんな『クロナッツ』のブレークを受けて、日本でもベーカリーチェーンのバンデロールが、『ニューヨーク・クロワッサンドーナツ』の商品名で発売している。日本人の嗜好に合わせて、カロリーと甘さ控えめの大人向けの味に仕上げられ、値段も本家の5ドルに対して、160円とかなり抑えめで、今後人気が急上昇しそうだ。一方、イギリス・ロンドンでは、『クロナッツ』が「クロドー(Crodough)」や「ドーサン(Dosant)」に変身し、イーストロンドンのこじゃれたティーハウスから大通りのカフェ、高層ビル街のレストランのメニューにまで登場。ロンドンっ子たちもすっかり『クロナッツ』に夢中なようだ。
『クロナッツ』は、米国とフランスの食文化を融合させたものだが、イギリスではタルトとブラウニーを合体させた「タウニー(Townie)」や、ドーナツ生地のマフィンにフレッシュジャムを詰め、バターに漬けて粉砂糖をまぶした「ダフィン(Duffin)」など、文化の異なる国の菓子の特徴を合わせた、まさにハイブリッドな新スイーツが誕生し人気を集めている。
異質なものを合体させて新たなものを作り出す「ハイブリッドスイーツ」は新しいようだが、
実は日本のスイーツは、「あんドーナツ」、「クリームあんみつ」に始まり、「どら焼き」「抹茶ソフト」など、既にほとんどが「ハイブリッド」だと言える。異質な文化をかけ合わせて今までにない価値を創り出す「ハイブリッド」技術は、車に限らず日本のお家芸だ!

| 13.11.15

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