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Blade Glider

23日から、東京ビッグサイトで始まった第43回東京モーターショーは、2009年はリーマンショックの打撃を引きずり、2011年は東日本大震災に見舞われたが、今回は円安下の開催ということもあって、久々に期待を持って注目されている。日本車メーカーはフュエルセル(燃料電池車)やプラグイン電気自動車など、環境技術で世界をリードしていることをアピール。それと共に、若者の車離れの目立つ昨今に対応した若者戦略車が目玉になっている。しかし密かな人気は、日産のコンセプトカー「Blade Glider」ではないだろうか?
三角翼型のシャープなデザインで前輪のトレッドが狭く、見るからにグライダーのような形をし、運転席をマクラーレンF1のようにセンターに配し、後席は左右に2席という革新性だ。電気自動車をパワーソースからだけ考えるのではなく、デザインでも新時代を切り開いて行こうという意欲作だ。Blade Gliderはコンセプトカーに終わらず、次のル・マン24時間レースに出走させるという話なので、是非とも成果を期待したい。日産はこれまで日本メーカーで唯一成績が今ひとつで、CEOのゴーンも命運が尽きたかに見えたが、世界に通用する革新性を打ち出して行く事に関してはゴーンの実績は称えられて良いのでは?現実にフル電気自動車でマーケットをリードするリーフ、ドイツ製のスーパーカーに混じって国産で唯一気を吐くGTR、タイ製マーチの日本マーケットへの逆輸入などなど、他メーカーに比べ発想がグローバルだ。それに比べ成績の良い日本メーカーは皆、去勢されたハイブリッドや軽自動車の成績ばかりに頼っているように見える。
国内新車販売数は、1990年に778万台だったのが、2012年には536万台と減ってきている。それに引き換え、中国市場の新車販売台数は急速に伸び、今年は年間では世界で初めて2000万台を超すようだ。同時期に開催されている熱気溢れる広州モーターショーに比べ、東京は元気がないように見える。
それは一言でいえば、HONDAがS660を世界戦略車として開発していない事に象徴される。Lexus然りだ。今や東京モーターショーに550万台マーケット向けの車を見に行きたい人はいないだろう。

| 13.11.29

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