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グランピング

昔からあったハイエンドのキャンプスタイル「Glamping(グランピング)」が、今改めて注目されている。「グランピング」とは、グラマラス(glamorous)とキャンピング(camping)を掛け合わせた造語。キャンプならではの自然環境のなかで高級ホテル並みの快適さやサービスを体験するという、贅沢なキャンピングスタイルのことだ。
古くはアラブの王族や欧米の富裕層が、シェフや家具などをともなってアフリカの砂漠やサファリなどで優雅なキャンプをしたことに始まり、現代の英国では音楽フェスで、自前のテントやギアを持たずとも快適に滞在できるように考案されたキャンプスタイルや、F1チームの豪華な移動用トレーラーなど、最近徐々に人気となっている。グランパー(グランピングをする人)たちが優雅に仮設住宅(?)を楽しみ尽くすスタイルが注目されているが、日常がグラマラスな人がキャンプする時に使われる言葉で、庶民が間違って使うとみじめになるので考えない方がよさそうだ。
「Go Glamping (http://goglamping.net/)」では、世界中のグランピング施設をピックアップし紹介している。たとえば、アメリカの広大な砂漠でティピに宿泊できる「Moab Under Canvas (http://www.moabundercanvas.com/)」などだ。中でもアマングループが提供するインドネシア・モヨ島のテント「AMANWANA (http://www.amanresorts.com/amanwana/home.aspx)」やインド・ラージャスターン州にある「Aman-i-Khas (http://www.amanresorts.com/amanikhas/home.aspx)」は、ベンガル虎やナマケグマの生息する国立自然公園内で最上級のテントライフを提供する。現代の究極のグランピングと言えそうだ。
ただし何度も言うが、普通の生活を送る庶民の頭でグランピングを考えるのは難しそうだ。グランピングの人気の背景には、世界に存在する巨大な格差社会がある。英米が主導する莫大な金融緩和とあふれるマネーサプライ。それを扱える金融資本からは蚊帳の外の庶民生活。今やイスラム世界が人口のマジョリティーを占める中、テロとの戦いをリードしている米国も国家予算は払底し、次第に巨大な貧困に飲み込まれていく。「Glamping(グランピング)」の人気は、アッパーミドルによる世界の貧困化への“抵抗”だろうか?

| 13.10.11

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