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サバニスト

サバを食らい、語り、描き、歌う、サバ好きが集う「サバナイト」なるものが、夜な夜な開催されているらしい。何とも怪しい響きだ。「サバが好き」と口にするだけで、友達が増えて人生までもが変わるかと思うようなコミュニティーが広がっている。そんなサバコミュニティーの参加者たちは職業も趣味もバラバラだが、サバが好きだというだけですぐに打ち解けて、サバ料理を前にするとみんなが笑顔になるというのだ。
また、昨今地場産業の華とも言われているご当地バーガーでも、鯖はその例にもれず人気で、サバとバーガーで“サバーガー”も全国的に鯖の有名産地に登場。少々遠くてもわざわざ食べに来る人も多いので、地域活性化に役だっているようだ。
鯖は昔から日本の食文化になじみの深い魚だが、下魚とも呼ばれたほどの大衆魚でどこでも手に入るような魚だった。しかし国産の真鯖の漁獲量は激減し、今では高級魚だ。大分の佐賀関で水揚げされる「関鯖」は出世した鯖の代表的ブランドだが、何で鯖が?というような値段だ。而して日本の鯖はノルウェー産に取って変わられ・・・サバニスト達は今度はノルウェー産までも食べ尽くしにかかっている。日本人はどうしてここまで食べ尽くすのか?
かつて腐るほど獲れた鰊しかり、鮪しかり、鰻しかり、鯨しかりである。鯖の気持ちになると「サバニスト」とは恐ろしい集団である。「サバナイト」に至っては、KKKの生贄の儀式か?ホラーだ。
笑いながら自分たちを根こそぎ食べ尽くそうとする恐ろしい集団!なのかもしれない、日本人は。

| 13.08.09

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