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酔いどれアマゾン

通販サイト“amazon”は、一度使ったら便利すぎて病みつきになってしまうユーザーが多いようだ。書籍だけでなく食品や衣料品まで買えるようになって、全てをアマゾンで済ませる事も可能だ。プランや商品によっては当日中に配送料"無料"で届くので、欲しいものがある時は “amazon” をついついクリックしてしまい、その結果ユーザーの部屋は “amazon” の空ダンボールでいっぱいになり、実は商品が本当に欲しいのか?クリックするだけで物が届く衝撃を抑えられないだけなのか?わからなくなってしまう・・・そんな「アマゾン依存症」が、激増しているらしい。
先日放送された番組「アメトーク!」(テレビ朝日系)では、一人暮らしが長い芸人ばかりが集まってトークを展開していた。その中で、「酔いどれアマゾン」という言葉が挙げられ注目を集めた。そう名付けたのは、お笑い芸人コンビ「麒麟」の川島明で、酔っ払った状態で“amazon”を使うと衝動買いが加速し、「これを買った人はこんなものも買っています」と薦められるまま次々に欲しくなっていく状態をそう呼んだのだ。実際川島は最初圧力鍋を注文したのだが、その後「おすすめ」されるままに購入を進めていってしまい、最後には加圧トレーニング用のチューブを薦められたと明かしている。
これは心理学的には『間欠強化』という現象だそうで、相手の行動に対して数回に1回だけご褒美を与える(間欠強化)状況を作ることで、毎回ご褒美を与える(連続強化)よりも行動が促され、その行動が失われにくくなるという。
一方、“amazon”の過剰梱包がユーザーの間では問題になっている。たった1枚のSDカードにやたら大きな段ボール、大げさな緩衝材など、届いた後のゴミの量に日本のみならず世界のユーザーが驚愕している。海外サイト上でも、絵本を1冊買って30フィートの紙に厳重に包まれていたなど、 “amazon”の過剰梱包写真が多く掲載されている。
「麻薬」効果がAmazonや楽天を始めとする通販の売り上げを支えており、配送無料とは言えゴミを一緒に送ってくる“amazon”型ネット通販は現状まだまだ伸びていく様子だが、これらの問題を解決しない限り流通の中心にはなり得ないのではないだろうか?
皮肉にも“amazon”型通販で出るゴミの山が、“amazon”が仕組んだ買い物依存症の進行を遅らせる要因になっている。

| 13.07.05

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