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妻食系男子

草食系の次は、「妻食系」男子の時代が来るらしい?
就業者数はピークの1997年から2011年までの14年間に313万人減って、その9割が男性だったという統計が出ている。しかし、成長分野の医療・福祉を見ると2002年から2011年までに就業者数は178万人増えており、その8割は女性で高齢化を背景に今後も増える見通しだ。また追い討ちをかけるように、総務省が国民の家計収支を調べた「2009年全国消費実態調査」によると、30歳未満の単身勤労世帯(仕事を持つ一人暮らし世帯)の可処分所得が、女性は月21万8,156円、男性は21万5,515円となり、この世代ではついに男女逆転し、女性が男性を2,641円上回った。これは、1969年調査開始以来初めてのことだ。日本の労働市場で「女性高・男性安」が進行し、社会のあり方をも変えようとしている。
『男性不況』の著者、永濱利廣氏は、低所得男性は「専業主夫」を目指せと提唱する。豊かになった女性たちが低所得に悩む男性と結婚し、一家の大黒柱として男性を養ってくれるようになれば、たとえ「男性不況」が深刻化しても理論的には大きな問題にはならないというのだ。男性がもっと「家庭進出」すれば、女性が会社で活躍する余地が広がり、「ガラスの天井」(男社会の壁)は崩れるかもしれない。これこそ「男女共同参画社会」への近道ではないかとも語っている。
そうは言っても日本では、まだまだ専業主婦を志向する女性の数は少なくない。資格講座の通信教育を行っている(株)ユーキャンの行った調査では、未婚女性の半数以上が、出産後は専業主婦に「なりたい」と回答し、現実には専業主婦に「なりたくてもなれない」という回答については、実に7割に上った。日本では養ってもらいたいと思っている女性がまだまだたくさんいるのだ。しかも、肝心な高所得女性たちの多くが、低所得男性と結婚して養う覚悟を全くといっていいほど持っていないこともあって、「女性に食わしてもらおう」と考えて「妻食系男子」になるというのは、そう簡単なことではなさそうだ。
しかし、トレンドとして、男中心だった職場は細り、女性が活躍する職場が広がりつつあることは間違いない。そして、これまで女性たちが社会進出をする為に長年苦労してきたように、これからは男性が家庭進出をめざして苦労する?時代が到来したようだ。

| 13.06.07

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