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定額制聴き放題

先日、米グーグルが定額制の音楽配信サービス「All Access」を始めると発表した。月額9.99ドルで、計22ジャンルの数百万曲が聴き放題になるという。米国でスタート後世界各国に広げていくが、日本で行うかは明らかにされていない。これは大きな問題だ。
このところ定額の音楽聴き放題サービスが脚光を浴びている。ユーザーは、ストリーミングで再生しデバイスに蓄積できても所有できない。通常の楽曲販売より安価な契約をレコード会社と結び定額でユーザーに提供するというのが、このサービスのビジネスモデルだ。日本でも先行するソニーの「MusicUnlimited」に加え、今年3月からは「レコチョクBest」、DeNAの「Groovy」がスタートし競合しはじめたが、国内のレコード会社は定額での提供にまだまだ及び腰だ。ソフト産業が世界に出ていかなかったら生きる道は無いのだが?
この分野を代表する、スウェーデンの「Spotify」は、フェイスブックと連携することでその数を大きく増やし、現在のユーザー数が世界で2000万人以上にまでなった。同様に台湾、香港、シンガポール、マレーシアで提供している台湾発の定額制サービス「KKBOX」も、台湾と香港だけで1000万を超えるユーザーを抱え人気だ。人気の秘密は、自分が聴いている楽曲をリアルタイムで他のユーザーも聴ける、“一緒に聴く”チャット機能だ。「KKBOX」はこの6月、auスマートフォン向け音楽配信サービス「LISMO unlimited powered by レコチョク」が「KKBOX」
にリニューアルする形で、日本でもサービスを開始する。もはや音楽配信にSNS的要素は不可欠とも言える。
一方冗談の様な話だが、国際レコード産業連盟が、CDやダウンロードを合わせた音楽ソフトの売上高で、日本が2012年に初めて米国を抜き世界最大市場になったと発表し話題になった。日本だけがいつまでもCD売上に頼ったままでいることが世界で笑われているわけだが、新聞は肯定的に報道していたようだ。またしてもガラパゴスだ!戦後アジアの奇跡と言われた経済成長で、強大な内需に基づく経済規模を未だに堅持している日本・・・経済力で世界をリードしていた時代はよかったが、相対的規模が下がってアジアの中ですら地位が後退してくると、内需が中途半端に大きいだけにレガシーシステムから脱却するのが困難と云う変な特徴を持つ。
これでは家電やスマホだけでなく、これから重要になるソフト配信の世界でも、日本は負けるだろう!

| 13.05.24

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