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ななつ星

2013年10月に運行を開始するJR九州の富裕層向け寝台列車、日本版オリエンタルエクスプレス「ななつ星」が海外で大注目されている。
「ななつ星」は日本初の「クルーズトレイン」というコンセプトで、当初からアジアを中心とした販売を見込んでいたが、欧州や中東からも問い合わせが来ている。1泊2日1室2名利用で一人当たり22万円、2泊3日高級旅館宿泊とセットのコースは1室2名利用で一人当たり55万円など、福岡・博多から大分・由布院などの九州の観光地を周遊する設定だ。7両編成でラウンジカーにはピアノとバーカウンターを備え、客室はすべてゆったりとしたスイートとなっている。この「ななつ星」は当初から九州を世界にPRする目的で、客の半数がアジアを中心とする外国人客となる青写真を描いていた。昨年、アジアやヨーロッパ、中東での富裕層向けの旅行商談会で、日本にはあまりなじみのない「豪華寝台列車」というコンセプトと、日本旅行で訪れる先として目新しい九州に関心が寄せられたという。中でも、「豪華列車」の文化があるヨーロッパでの好感触は予想以上で、より早く理解が得られたそうだ。今後、九州の豪華列車に続き、北海道や日本海側でも新しい訪日観光ルートが期待できそうだ。
今日本は「アベノミクス」と呼ばれる一連の経済政策で、ピーク時から比べると20%近い円安になっている。日本で円安からメリットを得るのは輸出産業ばかりではない。日本のインバウンド観光にとっても大きなチャンスだ。成熟した日本において、インバウンド観光地は京都・大阪・東京だけではない事に気がつく良い機会だ。
日本の「過疎地」は美しく、そして美味しい。いつも思うことだが、島根県の棚田は、経済成長で激しく開発が進むバリ島の棚田より、今やはるかに美しいかもしれない。

| 13.02.15

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