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ハラールコスメ

イスラム法に基づいて動物性の成分やアルコールの不使用を謳った「ハラールコスメ」が注目されている。
現在、保湿化粧品、シャンプー、美顔パック、口紅など化粧品の大半で使われている脂肪酸やゼラチンには、ほとんどの場合アルコールと豚由来の成分が使われている。そうした成分を含む化粧品を使うことに罪悪感を覚えるイスラム教徒女性のための「ハラールコスメ」ブランドが、イスラム経済圏の発展と共に近年次々と立ち上がってきている。ドバイ発ハラール化粧品ブランド「MENA」(http://www.mena-cosmetics.com/frontend/home)は、中東諸国に向けて、ミネラルや植物から抽出したビーガン素材を使ったナチュラルコスメを販売している。また、イギリス発ハラールコスメブランドも注目だ。ソウル・シンガー、ジェイムズ・ブラウンの娘ローズが19歳で立ち上げた「Pure Halal Beatuty」(http://www.phbethicalbeauty.co.uk/)や、「FX cosmetics」(http://www.fxcosmetics.co.uk)は、イスラム教徒女性以外からも人気を集めている。さらにカナダのメイクアップアーティスト、ライラ・マンディは、イスラム教に改宗して、「OnePure」(http://www.onepurehalalbeauty.com/)というブランドで、皮膚科の専門医、薬剤師と共に化粧品の開発・販売を手掛け、マレーシア、ヨルダン、イギリスのオンラインストアで販売している。
昨今、市場が急成長し続けているアセアン諸国、特にマレーシア、インドネシアの2カ国では、所得の上昇と生活水準の向上に伴って、イスラム教の富裕層やアッパーミドルが急増。これまで中華系を対象にしていた市場が急激に変化し、「高所得のムスリム」という市場を生み出している。その為、化粧品や食品などの「ハラ―ル」対応は、重要性が高まってきているが、「ハラ―ル」をファッションとして捉えた偽オーガニックには警戒が必要だ。
ムスリムの旺盛な消費意欲を背景に、化粧品市場もいっそう拡大すると予想される中、宗教的価値観を大切にした「ハラ―ルコスメ」へのニーズは高まり、イスラム教徒女性だけでなく、厳しく認証を受けたナチュラルコスメとして、国境や民族の違いを越えて世界中の女性に広がり始めている。

| 13.02.08

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