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夜行女子会

東京駅から出発する夜行寝台特急が20~30代の女性の注目を集めている。車中の個室では「女子会」が開かれているそうだ。
東京と島根県出雲市を結ぶ「サンライズ出雲」は、個室中心の設備で、良縁祈願の出雲大社を目指す女性たちに人気だ。 「夜行列車はミステリアスでワクワクする」と個室で乾杯、おしゃべりに夢中になれる約12時間の長旅。新幹線網や空路の充実を背景に夜行列車の廃止が相次いでいたが、この路線は首都圏と中国地方を行き来するビジネス客をターゲットに、「走るビジネスホテル」として、寝台は全て暗証番号付きの個室に改良され、金曜の下り列車は女性客を中心に平均乗車率99%を記録している。安心して乗れるので、のんびりと旅ができると評判なのだ。しかも、ホテル代を含めて考えると割安感もあるようだ。
女性だけで飲食する「女子会」は、言葉だけでなくライフスタイルとしても、すっかり定着した感がある。Yahoo!リサーチの「女子会に関する調査」によると、20~30代の女性の9割が女子会経験者と言われ、参加頻度は1ヶ月に1回以上という割合が全体の過半数を占めている。そんな「女子会」のおしゃべりは、日常のポジティブでハッピーな話題を共有する“キラキラトーク”と、男性にはできない女性の本音を明かす“セキララトーク”が中心だ。女性は家族や友人から得た情報を信頼する場合が多く、さらに得た情報を娯楽として他者に伝達するので、女性が集うところでは多量の情報の交換が行われ、信頼性が高いと見なされている。つまり、「女子会」は情報交換そのものが娯楽になっているのだ。
最近は、そうした「女子会」で繰り広げられる“情報交換力”に目をつける企業も多いようだが、衆院選で自民党は、「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上にする」と公約に揚げていた。女子力を女子会で発散するのも良いが、女子側に立てこもってばかりいないで、世界に打って出るべきではないだろうか?

| 13.01.18

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