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スキル取引サイト

個人が出品した「できること」を買うことのできる、スキルの販売サイト『coconala ココナラ』(coconala.com 株式会社ウェルセルフ )が、7月のオープンから僅か3ヶ月で登録者数1万5000人を突破して、話題を集めている。個人が持つ知識や技などの“スキル”を取引するサービスとは何なのだろうか?
「みんなが、自分の得意な分野で誰かの役に立ち、自らも学び、いきいきと「自分のストーリー」を生きていく。そんな世の中の実現を目指したいんです。」と今年行われた浅草の「花テックEXPO2012」のステージで、ウェルセルフ社のファウンダーの一人である谷口明依さんは語り、最多得票で優勝を果たした。谷口さんは、大学院で分子細胞生物学専攻を修了後、長年製薬業界に身を置き、薬品開発やグローバルスタディ(国際共同治験)などを経験してきた経歴を持つ。友達の相談に乗るように、薬剤師や栄養士、介護アドバイザー、心理カウンセラーなどが相談を受けられないか?個人の専門能力を活かし、適切な情報を届けるようなコミュティはできないか?そんな思いから『coconala ココナラ』が生まれたのだそうだ。
人気が高いのが「似顔絵描きます」系への問い合わせだそうだ。出品者が、それぞれに特徴のある似顔絵を書いてくれる。男女別の売れ筋をみると、男性に人気なのは、WEBサイトの課題抽出だったり、twitterでサービスをつぶやく、ロゴやキャッチコピーを作成するなど「ビジネス」系。女性には「占い」系が人気だそうだ。スキルは、物販に比べて相場が分かりにくいという弱点を、500円という均一価格設定にしたところも強みになっている。
「新手のネット犯罪」として物議を醸している「なりすましウイルス」問題も、スキルを持て余した犯罪の一種だ。その犯人像は、「IT系の能力は高いが他のことはだめ。周囲からばかにされ、反発がエスカレートし、自分の力を確認するために犯罪を犯したのでは・・・」と分析されている。人を惑わすのではなく、人の役に立つことに生かせる方法があれば別の道があったのかもしれない。他人の中に自分の価値を見い出す為に、気軽に最初の一歩を踏み出せる手法として、スキル取引サイトは、現代の“ねずみ小僧”になるのだろうか?

| 12.11.16

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