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街コン/肉コン

このところ、イベント性でも広がりを見せる出会いの場 “街コン”。ライブハウスで音楽を聴きながら盛り上がる“楽コン”や、渋谷肉横丁全店を貸し切った“肉コン”という面白イベントも注目されている。中でも7月に肉の名店17店舗が集まる日本最大級の肉のテーマパーク「渋谷肉横丁」で開催された街コンは、男女600人限定のチケットを完売して大盛況だった。
最近健康面から、肉食が忌避される傾向の一方で、うまい肉が人と人とをつないでいくという考えが相変わらず根強くある。某食品会社が、この春に成人男女を対象に行った「焼肉とコミュニケーションに関する意識調査」によると、家族や友人など身の回りの人たちとコミュニケーションを楽しむ際に食べたいメニューのトップは、「焼肉」だった。また「焼肉の効能・効果」の問いに対しては、多くの人にとって肉体的に活力を与えてくれるだけでなく、精神的にも楽しい気持ちにさせてくれるメニューとして支持されていた。この傾向は若い世代ほど高く、中でも20代前半では、「仲良くなれる」「親密度が増す」「絆が深まる」など、コミュニケーションに関わるポイントが高かったのだという。
さらに、“ホルモンヌ(?)”と呼ばれた内臓肉を好む女子の出現は、霜降り肉一辺倒の価値観を変えた。焼き肉店でも、肉食女子が赤身肉の魅力を評価するようになり、部位を細分化しそれぞれの名札を添えて出すというスタイルが定着しつつあるようだ。
“肉コン”の傾向を見ても、やはり日本人には、縄文人の血と征服者である弥生人の血が、食とコミュニケーションの取り方の両方に残っているのだろうか?鍋や焼肉を囲んで繋がりを確かめ合う血と、懐石料理に見られるシンプルに昇華した美を楽しむ血の両方が確かに内在している。

| 12.09.07

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