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マイクラウド

スマートフォンの普及で、常時ネットワークにつながっていて、着信があれば自動でダウンロードされるのが当たり前となってきた。その一方でパソコンは、その重量とバッテリー不足で常時接続には向かず、スマートフォンより“劣る”存在になりつつある。本来ならパソコンの方が高機能で使いやすいはずなのに、使い方によっては立場が逆転してしまうという矛盾が生まれている。
その代表的な例が、「YouTube」や「ニコニコ動画」だ。音楽を楽しむように、スマートフォンで再生し、動画のリンクをTwitterに貼って、「この曲いいね!」などとつぶやくことが普通に行われている。日本レコード協会が発表した「2010年音楽メディアユーザー実態調査」によると、半年間で音楽を楽しむために利用したサービスの1位は「YouTube」で56%、以下テレビ(BSを含む)が40.8%、カラオケボックス37.8%、FMラジオ37.7%という結果だ。実に2人に1人が音楽を楽しむために「YouTube」を利用していることになる。知らないうちに、クラウド型サービスに慣れ親しんできているスマートフォンユーザーにとって、ストレージ機能を持つパーソナルなクラウドサービスへのニーズは当然高くなってくる。
欧米では既に、大量の音源にアクセスできる聴き放題型の「Spotify」のようなサービスが普及している。その「Spotify」を使ったFacebookの新機能「Ticker」は、友人がSpotifyで聴いている音楽を、リアルタイムで一緒に聴くことができる。つまり、Facebook上で友達とイヤホンを共有して音楽を聴くことができるようになったというわけで、これによりSpotifyのユーザーは驚異的に伸びたのだという。クラウド型サービスは、ダウンロード型コンテンツの販売ツールではなく、もはやメディアそのものと言える。
2012年の夏前には、今や世界最大(日本でも昨年mixiを抜いた)のSNS・Facebookが上場予定だ。今世紀最大のIPOと期待されている。Facebookの上場により、情報の民衆化が急激に発達し、世界は新しいパラダイムの時代へ進化して行くだろう。米国の大統領選挙が茶番劇に見えるのも当然か?

| 12.01.06

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