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フランス車

このところ日本では、フランス車が売れている。プジョー・シトロエン・ジャポンは、特にシトロエンブランドで2011年上半期(1~6月)累計の新車登録台数が1418台と、前年同期比69.2%増になったと発表した。さらに名車DSの名を冠した新型ラインナップの充実を図ることで、年末までに3100台の登録台数を目標として掲げているが、この数字はプジョー・シトロエン・ジャポン設立以来最高の記録?なのだそうだ。
これまでフランス車と言えば、デザインや乗り心地は良いのだけれどATは古いし故障しやすいというイメージが強く、なかなか日本のユーザーを満足させられなかった。しかし、フランスがEUに入りドイツ車などと対等に競争するようになってからは、フランス車の生産技術や管理技術が大きく進化し、信頼性が向上したと言われている。ルノーは日産を子会社化(日産もルノーに出資)したことで、日産の技術を導入して車全体の性能がアップした。プジョーはBMWとエンジン供給などで提携し、信頼性を向上させている。フランス車の台頭はグローバル化のメリットを最大限生かした結果だ。日本の輸入車市場で一番人気のドイツ車は、車の完成度や品質は高いが、理論的、実利的すぎて窮屈な感じがする。車にファッション感覚、遊び心を求める人たちには、そうしたドイツ車よりフランス車が魅力的に見え始めているのだ。近い将来、日産が日本の国内工場でルノー車を作り、その販売ルートを使って売り出したりしたら面白いことになってくる。自動車大国である日本の政治家、役人、消費者は、日本の血が混ざったルノー車で潤う国内労働市場を見て初めて、グローバル化のメリットを肌身で理解していくのだろうか?戦後間もなく、ルノー車をノックダウンで作っていたのとは意味が違うのだ。
来年1月1日に施行される米韓FTAを前に、日本は今、TPP交渉で農業団体の反対からその一歩を踏み出せないでいる。だが意外と知られていないのは、両国間FTAの施行が行われると、思いもかけず米国製レクサスが大量に韓国マーケットに入り込めるという事にもなる。韓国車が米国で優位に立つ事だけが強調されているが、韓国にとっても両刃の剣なのだ。
例えばTPP参加により、日本の農業商社もTPP参加国チリで安い小麦やコメ、ワインを作り米国マーケットに売るという事が夢ではなくなり、次の一手として打てるのだということを考えていく時代が来ている。

| 11.11.03

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