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理系ロマン

宇宙飛行士の船外活動の様子をそのままリアルに再現した1/10スケール(全高190mm)のプラモデル『1/10 ISS 船外活動用宇宙服』が、バンダイから9月23日に発売される。子どもの頃に宇宙飛行士を夢見たオトナたちに、もう一度ロマンを感じさせてくれるプラモデルとして話題になっている。
この宇宙飛行士プラモデルは、NASAが開発した国際宇宙ステーション(ISS)の外に出て作業する際に着用するものをプラモデル化したもので、外観のディテールはもちろん、各関節を動かして宇宙空間における宇宙飛行士の様子をリアルに再現できるというもの。これは、バンダイの“知の魅力”を伝える理工系プラモデル『Exploring Lab.(エクスプローリング・ラボ)』シリーズの第1弾で、第2弾は日本が誇る水深6500メートルまで潜れる潜水調査船『1/48 しんかい6500』が予定されている。
時を同じくして、ヨーロッパ南天天文台が発見した惑星「HD 85512 b」は、生命体が生息している可能性のかなり高い太陽系外惑星として、現在注目されている。この惑星の特筆すべきことは、宇宙の中ではほんの隣りとも言える36光年先の、生命が生存しているかもしれない領域「ハビタブルゾーン」にあることだ。しかも先行観測によると、この惑星の平均表面温度は25度と予想され、地中海性気候を作り出している可能性がある。またこの表面温度予想が当たっていれば、その約50パーセント以上が雲で覆われていることになり、生命体が存在する可能性が高いことを指し示すというのだ。今回の発見で、宇宙人の存在が非常に身近な現実になりつつあると、多くの人たちが期待している。
理科離れが問題になって久しいが、理科系の人材を育成することの重要性も長く議論されてきている。その中で多く語られているのが、“創造性の源はロマンである”ということだ。このご時世にロマンとは現実離れしたことと思われがちだが、ロマンに向けて自由に羽を伸ばすことは、独創的な科学技術を育てることにつながる。とかく世界ニュースは、金(経済)とテロと災害に偏りがちだが、昨年の「はやぶさ」とともに、“理系ロマン”づくりは、日本と世界の科学技術の発展に大きな影響力を持つだろう。

| 11.09.19

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