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ロールキャベツ男子

見た目はさわやかな草食系なのに、中身は積極的な肉食系な男子を最近「ロールキャベツ男子」と呼び、 「ひそかに女子の心をつかみつつある」と言われている。俳優の向井理や瑛太がその代表で、今人気の韓流スターのチャン・グンソクもそのカテゴリーだ。ファッションや雰囲気の外見はキャベツのように穏やかな草食系男子に見えるのだが、その中身はレアステーキのように肉食系の男子。例えば、カーディガンやシャツを羽織って足元はスニーカーといった、いわゆる男性版「森ガール」とも見えるスタイルをしていて、やさしそうに見えるので、女性は「草食系」だと思って近づくが、一緒にお酒などを飲んでいるうちに「肉食系」に変身するという男子を言い表している。
しかし、ロールキャベツ男子というのは、女性たちの妄想や理想が作りだしたキャラクターのようだ。「物静かだけど 頼りになる…」は、女性が「そうあってほしい」と望む男性像なのに、最近はなかなかそうした男性がいないということで、ロールキャベツ男子という概念がどんどん作り上げられてきているのだろうか。これらを一見頼りないと感じるおじさん世代もいるだろうが、「ロールキャベツ男子」は案外日本の国家戦略としても使えるかもしれない。
今や日本はかつての外交力も経済力も衰え、ひ弱な国家として、G7の中でも独自戦略を持たない国と見られている。今回、日本のリーダーに就任した野田佳彦氏は、代表選でもジョークを交えた演説で重い雰囲気の会場を沸かせ、司馬遼太郎などの時代小説や相田みつをを引用し、7月に直木賞を受賞したばかりの小説『下町ロケット』などにも言及しつつ語った。その演説力と融和的な姿勢で僅差の勝利をモノにしたと言われている。そうした演説の軟らかさとは裏腹に、したたかに力強い経済力を持った内政と、外に向けてはしたたかな外交を取り戻すことで、政界の“ロールキャベツ男子”と呼ばれてみてほしいものだ。今回ばかりは、どこまで行ってもキャベツだったということのないように・・・。

| 11.09.01

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