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メイド・バイ・チャイナ

中国製品は安いだけの粗悪品だらけとか、偽物大国とか言われ続けてきている一方で、中国はまだまだ世界の生産拠点であり続けてきている。しかし、そうした「メイド・イン・チャイナ」にも変化が見え始めている。
最近、フランス料理界の巨匠 アラン・デュカスやピエール・ガニュエールらの一流シェフの店や、パリの高級デパート「ル・ボン・マルシェ」などで、台湾系香港企業の高級食器ブランド「JIA」の商品が扱われるようになって注目されている。「JIA」は、古代中国で使われていた青銅器をモダンにアレンジし、西洋のエッセンスをプラスしている。ひょうたんの形をしたリカーボトルや、竹と陶器を組み合わせたボウルなど、中国若手デザイナーの手によるものだ。また、上海にある香港の目利きによる「1百 onezerozero」は、中国人ローカルデザイナーの商品だけを取り扱うセレクトショップ。フェルト素材のクラフトグッズ「mrkt」、中国ならではの絵柄をモチーフにした雑貨「YAANG」、ユニークな形状の器「yuhidea」など、中国ブランドのキッチュなデザインプロダクツは、地元でも人気を集め始めている。
中国人は何事にも強い愛国の傾向を示すが、残念ながら消費に関しては、「メイド・イン・チャイナ」には無関心だと評されることが多い。あまりにも急激な経済成長に、中身がついてきていなかった為だ。80年代の初頭、既に上海で「YU YUN」という中国デザイナーズブランドが産声を上げて話題になったこともあったが・・・発展の岐路に立つ中国で、世界で認められる「JIA」のようにモノづくりの民主化が少しずつ進むことで、単に製造下請けを意味する「メイド・イン・チャイナ」の時代から、「メイド・バイ・チャイナ」に変わろうとするところを見逃したくない。

| 11.08.08

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