trendseye

電力“財務”改善

今夏は、電気に過度に依存した社会のあり方を見直すいい契機となりそうだ。発電や冷房で外気温が上昇し、それを冷やす為に更に発電して、また高い外気温を作り出している現実!電力消費を否定するのではなく、もうひとつの選択肢として“非電化”を提案する「電力財務改善?」が必要だ。
中華料理店「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは、電気を使わず踏み板を踏むだけで開閉できる自動ドアを、新店舗に導入すると発表した。踏み板を踏むと板が沈んだ反動で滑車が上昇し、横方向にドアをスライドさせて開閉する仕組みは、1店舗あたりの電気代を年間14万円ほど削減できるそうだ。 世界一多いと言われる日本の自動ドアも、本当に必要なのか?電気不要のボードゲームや、昔ながらの遊び道具も再注目されている。玩具メーカー大手のタカラトミーによると、主要商品でもある『人生ゲーム』の売り上げは、震災後、昨年の同時期と比べて増加している。また、東北大とNECなどの研究チームは、テレビ、パソコンやサーバーなどの待機電力をゼロにできる、大規模集積回路(システムLSI)を世界で初めて開発、5年後の実用化を目指している。この発明は、日本中で待機電力のために使っていた原発2基分の電力を減らす効果があるという。
自然エネルギーによる発電も、現在さまざまな人が議論している。しかし、「新しい発電」という発想ばかりでなく、家庭で使う電気の約3割を占める冷暖房を“非電化”で考えるといった発想の転換が必要だ。国債の償還の為に更に赤字国債を発行するという、国家財務と同じ道をたどらないように、日本や先進国が陥っている電力消費構造を、この辺りで「財務改善?」する時が来たと言えそうだ。

| 11.07.11

CATEGORY

  • BOOM
  • FOOD&RESTAURANT
  • LIVING&INTERIOR
  • SCIENCE&TECH
  • TRAVEL
  • TREND SPACE
ART BOX CORP.