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AKBシステム

「会いに行けるアイドル」というコンセプトでスタートしたAKB48。6月9日、東京・日本武道館にて「AKB48 22ndシングル選抜総選挙『今年もガチです』」の開票イベントは、1アイドルグループのイベントでありながら、大手メディアが競うように報道し、海外までフィーバーし、今や見逃せない社会現象となっている。
現在の日本のエンターテインメント業界への大きな影響力を誇る一方で、批判も少なくない。とりわけ、今回の選抜総選挙の投票券が封入された最新シングル「Everyday, カチューシャ」の売り上げは、複数購入を促す手法ゆえで、そうした結果であるCDの売り上げランキングの妥当性を疑う声もあり、ミリオンの売り上げと言えないという声も多く聞かれた。しかし、メンバーのひとり大島優子が、 「わたしたちにとって、票数(=CD売り上げ)というのは皆さんの愛です」と言ったように、もはやCDの売り上げは楽曲の評価ではないことを表している。
AKBの「会える」「握手ができる」「一緒に写真が撮れる」、そして「育てる」楽しさ・・・まさに王道とも言えるアイドル手法には、タレントとファンの双方を隔てる心理的なギャップを取り除くための戦略が取り入れられている。東京での「AKB48」に続き、名古屋が拠点の「SKE48」、大阪の「NMB48」、さらに福岡の「HKT48」と、作詞家の秋元康氏が総合プロデュースを務める活動は広がり続けており、地域活性化や経済効果が大いに期待されている。こうした半製品を客と一緒に完成させていくAKBシステムには、今後ますます多くの企業が注目していくだろう。これはまさに「選挙運動だ」。

| 11.06.13

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