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ワンピース・マインド

週刊少年ジャンプの連載漫画「ワンピース」は、連載開始から14年、昨年11月に発行部数累計が2億部を突破し、国内最高記録を更新し続けている。「ワンピース」は、主人公の少年ルフィが海賊王を目指し、仲間を得ながら“ワンピース”という財宝獲得を目指す海洋冒険物語だ。「ワンピース」の魅力は、登場人物が仲間を大切にするところだったり、仲間のために敵に立ち向かうところだ。読者は、若者が努力しても報われない今の社会状況と重ね合わせて、挫折やトラウマを抱える登場人物たちが、仲間との絆を強めながら、過去の欠落感を埋めながら未来に向かっていくところに共感しているのだという。
ワンピースの由来は「一つになる」「一丸一体になる」という意味だとか・・・今回起きた「東日本大震災」で、大勢の人たちが被災している中、多くの日本人が我慢強く、整然と、一体となって復興に向けて動き出している。そうした根底には、幅広い読者の心をとらえ続ける「ワンピース・マインド」があるのだろう。
しかし、福島第一原発の危険度を示す政府の避難情報が、一民間企業である東電発の情報に頼って避難地域を設定しているのは、あまりにも責任回避的でありお粗末ではないか?日本政府の独自の調査データの発表がないことに対し、救援に入っている各国政府やIAEAの不満が高まっている。各国政府の救援隊への避難情報と、日本政府の被災地への避難情報が大きく乖離しているのは異常だ。おとなしい日本国民の「ワンピース・マインド」に頼るのはいいが、日本政府は各国の救援隊の安全確保にも責任があることを忘れてはならない。すべての国の救援隊と被災地の人々を「ワンピース・マインド」でつないでこそ、日本のリーダーは真にルフィになれるのではないだろうか!?

| 11.03.14

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